「先生には説明しといた。だから、今日から一緒の部屋だ」
「ぅん…」
「…よし!聡と恭平呼ぶぞ」
「なんで」
「なんとなくだ」
ニカッと謙介は笑った。
僕の話は聡も恭平も知っていた。
すごく気を遣ってた。
「すぐに元気になるよな?」
謙介が手を伸ばしてくる。
頭を撫でるだけなのは分かってるのに、僕は身体を強張らせてしまった。
「ぁ…悪い…。まだ怖いよな」
軽く頭を撫でてくれた。
「……」
聡と恭平は何も言えないようだった。
大浴場に行くのが嫌だった。
それでも、風呂に入らないわけにはいかない。
僕は周りを見ないようにした。
男の裸を見ると、アナルが疼いた。
犯された感覚が戻ってくる。
「あとでにするか?」
「大丈夫…」
いつものように振る舞えばいい。
何も気にしなければ…。
「勇希…」
「ん?」
「悪い…」
謙介の落ち込んだ顔。
聡と恭平も下を向いている。
「ぁの…」
「俺たちが守ってやらなきゃだったのに」
会ったばかりのとき。
イジメられてた僕を助けてくれたみんな。
そのとき言ってくれた言葉。
「俺らが守ってやるから」
「気にしないでいいんだよ」
「勇希…」
「俺たちにできることがあるなら何でも言ってくれよ」
胸がすごく痛くなった。