そして入寮式が終わり、全員との顔合わせがあった。
同学年は全部で10人。
お互い集まるのはまたにして、一年の俺らは担当の先輩に連れられてそれぞれ部屋に行った。
ーーー202。
ゆ「ここだ、俺らの部屋。」
お「うわ、悠斗先輩、汚いすよー(笑)」
ゆ「うっせ、お前掃除させるぞ!?」
服脱ぎっぱなし、ビールの缶が転がってる。
ゆ「お前が来るまで俺一人部屋だったからさ、好きにしてたわ。整理して好きに使いな。」
ということで最初の行事は新入生なのに自分の部屋を掃除することだった。
掃除が終わって煙草吸いながら悠斗先輩と話をした。
高校のこと、出身地のこと、好きなやつのこと。
ゆ「そういやお前部活は?決まってるんか?」
お「いや、大学はどうしようかと悩んでるんすよ、悠斗先輩は?
ゆ「俺?部活してるぞ」
お「何部なんすか?」
ゆ「バスケ部」
お「へぇー、かっこいいじゃないすか!だから坊主なんですか?」
ゆ「花道意識(笑)」
お「スラムダンクのすか?古っ(笑)」
ゆ「あぁ?てめえ。」
お「すっ、すいません……」こ、こわ。
ゆ「あ、いや、スラムダンクは名作だぞ?ちゃんと読んどけよ。」
お「は、はい。」
そんなたわいもない話をしてるともう八時になっていた。
ゆ「章吾、風呂行くぞ。背中流せ。」
お「は、はい。」
あとから聞いたのだが寮では担当の先輩の背中を流したりするのは後輩の役目らしい。
ゆ「よし、行くか。」
そういうと先輩は素裸になった。
風呂入るから当たり前なんだけど。
けど、すごかった。
がっしりした胸板、肩、腕の筋肉、割れた腹筋、小さいケツ、そしてずるんと剥けたちんぽ。
ものすごい卑猥だ。
俺は高二の時まではノンケだったけど、高二でこっちの世界もあるってことを知って以来は女も男も大丈夫な、いわゆるバイ、ってやつだ。
一目見たときから俺は先輩にやられたのかもしれない。
いかつくてやんちゃっぽくワイルドなのだ。
でも絶対ノンケだろうな、ありえないありえない(笑)
ゆ「……ご、おい、章吾!」
お「あ、は、い、え?はい?」
ゆ「お前何ボーッとしてんの?そんなに俺の体が珍しいか?」
お「いや、すげー。悠斗先輩ガタイいいんですね!なんかてっきりビール腹なのかと」
ゆ「おめー…俺が筋トレ頑張ってるの知らねえな?バスケ部は体が資本やから鍛えとかないと、それにゆるゆるだと女にもてねえだろ?」
あー、やっぱノンケだ。そりゃそうかー、こんなかっこいいんだもんな。まあ、いいか。悠斗先輩と同じ部屋になれただけよしとしとこう。
お「はい、すいません。風呂風呂、さ、入りましょー(笑)」
ゆ「なんやー?変なやつやのー。」
お「あ、ほら、翔先輩ですよ、翔ー先ー輩。」
し「なんだ、おめえらも風呂かよ、誰もいないと思ったのに、なぁ、大樹。」
誰だこいつ?
だ「ほんとですよー、狭い風呂に男四人とはきついすよねー」
し「あ、章吾、こいつも新入生で俺の担当の大樹。」
だ「ちわ、よろしく。大樹です。」
ゆ「おう、お前が翔の相方かよ」
だ「相方じゃなくて同室人すよ(笑)」
ゆ「じゃ、四人で狭ーく風呂入るか」
お&だ「うーす!」
先輩と風呂かー、なんかねーかな、と少し期待してた俺だった。