そんなこんなで部活にも慣れ、彼女もでき。俺は本当に高校生活というものを楽しんでいった。夏休み手前の7月。
この頃になると一樹先輩と俺は本当に仲良しの兄弟って言う感じになっていった。
それは学校中の女子にも有名で「あの高橋君があんな笑顔を見せるの初めてみた」って部活のマネージャーの先輩。さらにも海先輩にも同じ事を言われた。
そんな時、ヒロから突然電話が。
ヒロ「おい。樹?落ち着いて聞けよ?お前の彼女Y高の奴と付き合ってるって言う噂があるんだよ。」
樹「ウソだろ?だって俺まだ全然仲良しだし、こないだエッチもしたよ?」
俺はその時、ショックと言うかとりあえず確認はしなきゃいけないと思って。
彼女に確認の電話をした。
樹「お前、東高の奴と浮気してるって言うの本当?」
彼女「浮気ではないけど「好きだ」とは言われた。ね?樹、私最近思う。樹の隣にいるのは高橋先輩だよ。まだ意味はわからないかもしれないけど、私はわかる。ワガママなのはわかってるんだけど、私ももう色々辛いんだ。東高の人と付き合うつもりはないけど。別れよう」
樹「なんだよ!?意味わかんねぇ!なんでだよ・・・・。」
そこで俺の高校最初の恋はおわった。しかし、この彼女はのちのち俺の力になることになるなんて全く予想はしなかった。
俺はその時人生のどん底まで落ちた気がして部活に出ても上の空、学校でも上の空。何をしてもダメで友達もすごい心配してくれていた。
優「おい。元気だせよ?人生オワタみたいな顔すんな!平気だから。まだまだこれから楽しい事が待ってるよw」
この時、亮、優、和、ヒロ。みんな俺の事を慰めてくれて俺は幸せもんだなって思ったんだよ?
さぁ、それから何日かして。夏休みがきた。
毎日部活づけの日々。たまのオフには一樹先輩や海先輩、クラスの仲良しグループと遊びに遊んだ。
一樹先輩は本当に俺の事を面倒見てくれた、俺が彼女に振られて泣いてる時黙ってタオルくれて隣で肩をかしてくれ、そこからは俺を元気づけさせようと一樹先輩の慰めをしてくれた。
そんないつものオフの日お盆と言う事もあり、長い休みをもらった。俺は一樹先輩の家に遊びに行くこととなった。
渋谷のハチの前で待ち合わせ、俺は見る限り高校生で服がないのねー的な感じなオシャレしか出来ず
「マジ私服で渋谷くると、惨めになるな。」なんて思いながら待ってた。
近くの女子高生が「あの人すごーいかっこいいね〜!」って指さした先にいた人物が俺に向かって一言。
「おぃ!そこのダサ男!いくぞ!」と必殺太陽スマイルw
そう、それは一樹先輩でした.....もう俺はその場でこの世から消えてなくなりたくなるくらい恥ずかった、
「先輩って無関心そうに見えて何気にオシャレなんだな」と俺は思うくらい雑誌のモデルやってそうな子みたいな服装をしてて、また意外な一面を発見した。
そっから山手線に乗り。先輩の家は高層マンションで俺はまずビックリ。最寄駅は知ってたけど、ここかよ!的な場所だった。今日は泊まりでウィイレ(ウィニングイレブンっていうサッカーゲームです)をやるっていう予定だった。
樹「せ、先輩?これ家ですか?」
一樹「そう。変か?」
樹「い、いや。なんかお金もちなんだな〜って思って」
一樹「そんな事ねぇ、俺んちは平民だよ」
いざ、家に入ると。まぁー本当に庶民の俺には感動でした。外からはお台場、レインボーブリッジ。綺麗な景色が一望。
一樹母「こんにちわ!あなたが樹君ね〜!目が大きくて可愛いわね〜!いつも話聞いてるわ。こんな無愛想な子をしたってくれるなんてありがたいわ。こんな子だけどよろしくね!」
樹「あ、はい。あ、あ、お世話になっております。」
この人が一樹先輩のお母さん。お金持ちの奥様っていう感じで気品が溢れていて、とてもいい雰囲気で優しそうだった。俺も緊張しまくり。
一樹「おい、余計な事言うな。いくぞ」
そういうと先輩は自分の部屋へ。
中入ったら、先輩らしい何も余計なものはおいてないって感じだった。全体に黒がメイン。
そこから俺らはゲームをひたすらし。先輩の家でご飯をご馳走になった。
先輩のお母さんはこれから近くの実家へ、お父さんは今日は帰ってこないって事で俺らは二人きりになった。
相変わらずウィイレをやりまくり、コンビニ行って酒買ったりして。先輩はガブガブ酒を飲み、俺は大丈夫かな?って思うくらい。先輩は酒強い方だと思うけど、その時は本当にやばいくらい飲んでた。
そしてそれは日付が変わるよる12時くらいに起こった
先輩は酒を飲み、もう酔いモード。
普段先輩そんな話すの!?くらいの勢いで話かけてくる。
一樹「俺酔ってねぇよ?おぃ、お前。女に振られたくらいなんだ!俺がいるから安心しろ!な?」
樹「はぁ。そうですね。」
もう俺は完全に引きモードに入って、先輩を早く寝かしつけた方がいいかな?って考えてた。
そんな事考えてたら、俺はゲームに負けて。ちょうどいいと思った。
樹「先輩、そろそろ遅いから寝ましょう?俺も疲れてきちゃいましたよ〜。」
一樹「そうだなー。もう五十嵐はオネムか。よしよし。一緒に寝てやるからな〜」
とか言いながら頭をなでられ。俺はもう結構めんどくさくなってたwただはじめて俺の事、お前じゃなくて五十嵐って呼んでくれてちょっと嬉しかったりw
俺は「とりあえずベットで寝かしつけてから、フトン出して寝かしてもらおう」
とか安易に考えてたが。そんな甘くはなかった。
ベットに入ると先輩は俺に真剣に語りかけてきた、酔ってるなんて思わせないくらい真剣に。
一樹「なぁ、五十嵐はこの人の為ならなんでも出来るとか思うくらい人を好きになった事はあるか?」
樹「いや、その時はそう思うんでしょうけど。俺は本当に好き!っていう恋はまだないかもしれません。元カノとかも実際こんなにも簡単に忘れられるんだから。」
一樹「俺はな?そういう相手が出来たかもしれねぇんだよ。」
俺はビックリして、そんな相手いたんだ〜的な考えだった。
樹「先輩にそんな人がいたんですか〜。どんな人なんっすか?」
一樹「口はわりぃけど素直で目がしっかりして、そいつを見てると吸い込まれるような感じになる。今まで生きてきた中でこんなにも心が綺麗なのか?って思うくらい綺麗だなって思うような奴。汚れをしらねぇっていうか。そいつを守ってやりたくなったんだなw俺の事をこんなにかき乱した奴ははじめてだ」と先輩は嬉しそうなあのいつもの太陽スマイルとやさしい大切なものを思うような目をしてた。
樹「そんな先輩に思われてる女は幸せですね〜。先輩ただでさえ人気あるからイジメられちゃいますよ?w」
一樹「そうだな・・・・。ただ、思いを伝えられねぇんだ。振られたらすべてが壊れる。」っていきなり悲しい顔。
なんで?伝えられないの?伝えればいいのにって普通に思った。だって先輩なら普通に告白されたらどんな女だって嬉しいじゃん?って思うし。
樹「先輩!思いは言葉にしなきゃわからないし、そんな壊れるなんていわなきゃわからなくないっすか?」
一樹「お前は何もわかってねぇよ」
樹「わかりますよ。なんで恋愛にそんな臆病になるんっすか?恋愛は臆病になるとうまくいかないもんですよ?」
俺は素直にそう思った事を伝えた。
そしたらいきなり先輩が馬乗りになり。俺の手を押さえつけてきた
俺はわけがわからず。
樹「先輩?痛いんですけど、どうしたんですか?」
この時の先輩の顔はいつもの顔ではなかった、初めて見る鋭く怖い顔だった。
一樹「わりぃ、もうガマンできない・・・・。」
その瞬間先輩は俺に深い深いキスをしてきた、俺は声をあげる。
「ん・・・・ん〜・・・・」
俺は何がなんだかわからなくて。頭はパニック、暴れようにも先輩の力は強く何もできなかった。
ただ「樹、ごめんな?樹、お前が好きなんだ。」ってひたすら言ってた。今にも泣き出しそうな声で本当にわからなくなった。
俺はだんだんそのキスに頭が麻痺してきた、うまい。そう思った、俺の息子はマックスに。先輩はキスをやめ、俺の体をなめる・・・・。
俺も出したくないのに声がでる・・・。
「あ・・・・。いやだ、、、ぁ、あん・・・。」
ふと先輩を見た、泣いてる?どうして。なんで?そうか、先輩は俺の事が好きなのか。。。。
でも何故俺なんだ?てか気持ち悪くねぇか?そう思ったら俺は悪寒がして一気に鳥肌がたった。
力を振り絞って「やめろよ!!!!!」ってデカイ声で叫んだのは今でも覚えてる。
樹「キモイんだよ!な、なんで先輩が。。。」俺も涙が溢れてきた。
4月から怖かった先輩、部活では常に隣にいて常に俺を支えてくれた、先輩はそんな俺をそういう目で見てたと思ったら悲しくなってきた。
もうここにはいられない。。。俺はカバンをもってひたすら走った。走り走りまくった。
もう自分が何処にいるのかわからなくなるくらい。
気づいたら俺は家に帰って、家で寝てた。どうやって家帰ったのかは覚えてない。ただ俺はもう何もかもが嫌になっていた。
部活も何もかも、、、、
休みあけ、俺は部活を休んだ。亮から何回もメールや電話がくる。それも全部シカト、出る気にならなかった・・・・。
部活を休んで4日目くらいになった。家に突然亮がやってきたと思ったら、無理矢理部活に連れていかれ。そのまま海先輩のもとへ
海「五十嵐、どうしたんだ?無断で休むなんて。お前目真っ赤だぞ?どうしたんだ?」
樹「いや、なんでもありません。部長?俺部活を辞めたいと思います。今までありがとうございました。」
海「は?なんでだ?俺はお前が辞めるのもいるのも好きにしていい。だがな?そんな目赤くして今にも泣き出しそうなお前を俺は仲間として放っておけねぇな。」
樹「本当になんでもありませんから。お世話になりました」
そう言って、俺は帰ってきた。途中で一樹先輩に逢った、何か言おうとしてたけど俺は拒絶した。一樹先輩と言う人間を完全にいないかのように・・・。俺は何かグサと心に刺さった気がしたけどそんなものはおかまいなしだった。
亮はそれから俺には何も言わずいつものままで接してくれた。何があったかも聞かなかった。ただ部活に帰ってこいとは言ってたが俺はそれを流してた。
その後夏休みの間は、亮・和・ヒロ・優で遊ぶ事が多くなった。
和「最近高橋先輩はどうしたんだ〜?夫婦喧嘩?w」
樹「ちげぇよw高橋先輩とは順調w」
俺は作り笑顔だった。一樹先輩に俺との事を聞く奴なんていないし、いたとしても中学から一緒だって言ってた海先輩くらい。
亮達にはわかんねぇと思って仲良しのフリを続けてた。
しかし、この作り笑顔に気づいた男がいたんだ、それは優だったね。
俺は気づいてたんだ、優が明らかに難しい顔してたの。他のみんなは普通に笑ってた。
それから数日たって、学校が始まった。
もう一樹先輩とは逢う事はない、校舎も違うし。一樹先輩は特進クラスだったから帰る時間さえもかぶらない。俺は一樹先輩がいない学校生活をスタートさせた。