翌日文化祭が終わり。とうとうサプライズ計画が実行されることとなった。
俺はこの日の事今でも鮮明に覚えてる。
文化祭終了の合図があり、俺達はひたすら片付けをしていた、その間先輩達のクラスも片付けをしていて。最終的にみんな帰れたのが6時くらいだったと思う。
この日、先輩は17歳の誕生日だった・・・。そこでサプライズ・・・。
まず亮が先輩のクラスへいって、先輩に俺が倒れたといって先輩は俺のクラスへ向かう。お化け屋敷ように作った真っ暗なカーテンが張られ、部屋は暗く。クラスのみんなは教室には誰もいなくて、俺だけが倒れて。手には血がベットリと口から血を出してるっていう設定。
そこから先は話の中でわかると思います。
まずは亮が先輩を呼びに行く。
俺はその間にひたすら手に血のりと口にガンバって血のりを仕込む。血のりが俺の口からちょっと出て妙にリアルに完成。
優「お前がうまく演技しなきゃダメなんだからな?ガンバレよ?」とみんなと一緒にクラスを出て行く。
先輩がくるまでの間が結構長い時間に感じた。この暗闇の中で色々思い出す。
先輩と付き合いはじめてからの楽しい時間とか、笑ってた事。今日を9組と俺らの記念日みたいにしたかった。
外からバタバタ音が聞こえる。勢いよくドアが開いて、タオルを髪に巻き、汗だくの先輩が見えた。その後ろには海先輩。これまた予想外な展開。
先輩は俺を見つけた時、ダッシュで駆け寄ってきた
一樹「おい!樹!!!どうした。俺の事わかるか!!!!????」と声が震えてる。
海先輩「俺保健室いってくるから!まってろよ!」まぁ保健室の先生には言ってあるから平気かと思いつつ。俺は先輩の顔を見る。
もう先輩があたふたしてるのがわかる。
一樹「おい!死ぬな!どうしたんだよ・・・・」と俺を抱きしめてくる。
俺もそろそろ演技をしなくちゃと思って、咳込む・・。そうすると俺の口から血が出てるのが先輩はわかったらしい。
もう顔が涙こらえてます的な感じ。
樹「せ、んぱい。こ、、れ・・・」と俺は誕生日プレゼントをわたそうとするふりでポケットに手を動かす。
一樹「なんだ?これか!?」と先輩はプレゼントを出して。いた。小さな包み、本当にお金なくてこんなものしか買えなかったけど。俺は先輩がいつか言ってたの思い出した。
一樹「なんかおそろいのもの欲しいな。〜の指輪とか」俺はそれを覚えててそこまで買いにいった。メッチャ高かったけど、原宿まで買いに・・・。まぁ高校生にもなんとか買えそうな値段だった。
それと俺は手紙を書いた、先輩ありがとう的なものです。
先輩はそれを見てなんか涙がこらえ切れなかったのか、ポタポタ泣いてた。
俺はそこでふりしぼった風に話す。
樹「先輩、誕生日おめでとう。でも俺もうダメかも・・・。愛してるよ・・・」というと俺は意識とんだふり・・・・。
一樹「おい!!!!これ・・・・、覚えてたのかよ・・・。樹!!!!目さませ!」と俺の事を叩いてくる!
そうすると俺はなんかいきなりゴソっって抱きしめられたかなんかした。
一樹「お前は絶対に死なせねぇからな!おい戻ってこい!!!」とどっかに向かって歩いてるみたいだった。
ドアを開けた途端クラッカーの音がパンーーー!とでかい音を鳴らし聞こえる。俺は目をあけるとみんながクラッカーをもって。紙に「ドッキリ成功!」って書いてあった。
先輩を見ると、もう涙で顔グチョグチョになってた。先輩は口あけてポカーンとして俺を見る。俺はヒタスラ笑顔。お姫様ダッコをされてる俺・・・。
樹「先輩誕生日おめでと〜!」との俺の声にみんなが「おめでとー!」っていう。
先輩はとりあえずまだ状況がまだわかってなかったらしい。
一樹「お前生きてるのか?」
樹「この通り。」と言って俺は力こぶを作る。
優「先輩、樹がなんかどうしてもこれやりたいって言って。みんなでどっきり考えたんですwどうでした?」
海「本当ビックリだよなー。俺も仕掛け人のこのワクワクさがおもしろかったぜw」なんて笑ってる。先輩も参加してたんだ・・・w
一樹「お前本当に驚かすなよ・・・・。」って先輩はようやく状況が読み込めてきたらしい。
優「さー、みんな帰ろうか。あとの片付けは二人がやってくれるみたいだし。打ち上げは予定通り明日14時に渋谷で待ち合わせでー!」
みんな「はーい!んじゃあとよろしくねー」
なんて言ってゾロゾロ帰っていく。えー!みたいな俺をさておき、いつの間にかみんないなくなって。俺と先輩の二人になってた・・・。
樹「先輩んじゃ一緒に血のり拭いてくれません・・・・?」と俺は慎重に言う。
先輩は相変わらず無言。俺はとりあえず教室に入って電気をつけ血のりを拭く、すると先輩が後ろからきて抱き付いてきた。
樹「先輩、ここがっこ・・・」と言う前にある事で俺は言えなくなった。
先輩が泣いてる・・・・?さっきの涙とはまた違う・・・・。
一樹「本当に死んだかと思った・・・・。生きてるんだな?」
先輩が真剣に言うから俺も真剣に答える。
樹「生きてますよ?ほら先輩手だして?」といって手を出させる。
おいてあった、袋をだし。先輩の左手の薬指につけてみた、サイズはピッタリですんなりはまる。
あとは俺が作ったアルバムをあげた。二人でとった写真とか、部活の写真をはさんだやつ。
先輩はそれを受け取り一言。
「最高の誕生日だな・・・・。」俺はなんかすごい嬉しかった、先輩に一緒にいたって事を覚えてほしかった。だからこのサプライズ、普通に誕生日を過ごしてたらわからなくなる。だから・・・・。
俺も薬指に指輪として、先輩と重ねてみる。
先輩を見ると、俺をずっと見つめてた。
一樹「もう、お前には負けるわ・・・・。本当」
樹「先輩になんかしてもらってばっかりだったから。」
一樹「その事なら・・・。俺がお前にしてもらってばかりだよ・・・。」
なんて先輩は言う。俺らは学校という場所でキスをした。もう誰もいない学校・・・。制服の俺ら。今となればものすごいヤバイって事してたけど、その時はもう誰が見ててもよかった。
そこから俺らは片付けを一緒にして。先輩の片付けも終わり、一緒に駅まで・・・。
先輩のクラスは今日打ち上げがあるらしくて、そのまま改札で別れる。
一樹「今日ずっと一緒にいたいのに・・・・。」
樹「クラスの打ち上げいってきなー!ほら呼んでるwww」
見ると海先輩が早く!てな感じで呼んでた。
樹「先輩、ちょうど急行くるからもう行くよ?んじゃ誕生日おめでとう!また帰ったら電話してね?」
俺は歩きだす。そうすると先輩が腕をつかんで指輪を見せていう・・・。
一樹「五十嵐樹、あなたは高橋一樹の事が好きですか?」
樹「は、はい。好きですけど・・・・。」
一樹「高橋一樹は五十嵐樹を愛しています。俺はそれを一生誓います。好きになった事を後悔しません。たとえ遠くへいこうともお前が結婚しようとも。」
一樹「また電話するな?もう行かなきゃ。お前と一緒にいられないぶんドッキリさせてもらったから今日はクラスと楽しんできますwんじゃなw」といって先輩は歩き出す。
この言葉にどんな意味があったかは俺はそうとう先にわかる事になる。
俺はその日は家帰って、もう寝まくり。先輩から電話かかってきてたけど、俺は寝てて気づかなかった。
翌朝先輩に電話する。昨日あの後の話を聞いて笑ったりして、今日みんなのオールの後に先輩と遊ぶ事になった。
14時渋谷ハチ前。
久々の私服、先輩と一緒に買った私服で俺のオシャレ度は上がっている。続々と現れるクラスメート。女子のオシャレさに男はタジタジw
唯一オシャレだったのが優とカズくらい。二人は何気に流行りを取り入れるのが早い感じだった。
優「よしみんなそろったな!んじゃカラオケ予約してあっからそこいって17時半くらいからしゃぶしゃぶなー!」
そう言い。みんなで予約までしたカラオケまで歩く。
ヒロ「昨日あのあとどうなったの?高橋先輩なんかメッチャぽかーんでウケタんだけどwww」
亮「マジやばかったべwww俺もあんな先輩みたのはじめてだったから、もう笑いこらえるの必至だった〜!」
クラスのみんなも俺にその話題をふってきた。「あのあとどうしたの?」とか「一樹先輩にほれたから私に頂戴」とか色々。
みんな結構言いたい放題だったw
カラオケや牛角は楽しすぎてあっという間に終わった。
それから俺達仲良し5人は優の家に泊まる事になっていたので優の家へと向かった。
優の地元の駅を降りると、ガラの悪そうな人たちばっかで本当に「あー」って感じだったけど。優の家はフツーの家で別に俺んちとそんな変わらないって感じだった。
亮「おい、本当ここやべぇなwさすがじゃんw」
優「そうだろ?俺はここで揉まれたんだよー。」
ヒロ「まぁ。優もなw中学の時ヤンチャだったからなー。」
カズ「そうなの?ってか卒アルみせろしwww」
そんな話をしていたその瞬間。
俺はビックリした、、、優の部屋に入ってきた人をみて・・・・。
俺は優の部屋に入ってきた人を見てビックリ・・・・。
優兄「あ、五十嵐樹だー!何、今日うち泊まるの〜?」
と聞いてくる人物。それは優の兄貴だった・・・。
優「兄貴、なんだよ。人の部屋勝手に入ってきてー。」
優兄「いや、うるせぇから。俺勉強してんだから静かにしてくれ、リアルに大学うからなさそうなんだから」
そう話す優のお兄さん。お兄さんは部屋を出て行こうとしてたので。
樹「あ、あの。こないだはありがとうございました!!!」と俺はペコっとお辞儀をする。
優兄「いいってことよ!気にすんな。」と笑顔で部屋から出て行った。
優「何?なんで俺の兄貴の事知ってるの?」
樹「文化祭の準備の日に残留許可に協力してくれた人ってあの人だよ!」
優「あー!あいつだったのか・・・・。でもめずらしいな・・・。」
樹「ん?何が?」
優「いや、なんでもない。」
そういうと優は黙った。
亮「つか、優の兄貴なんか威圧感あるなw」
樹「だべ?本当こないだ助けてくれたときも今思えば優がこの状況ならこういう事言うかもみたいな感じだったw」
そっから受験勉強だと言う、優のお兄ちゃんに迷惑をかけないようにまぁ俺達は俺達で楽しみ。
色々な話をした。
亮「なぁ、アナルって気持ちいいの?」
カズ「お前フェラテクあるの?」
ヒロ「一樹先輩ってどんなもんしてんの?」などなどとりあえず全部シモネタにつながる話。
優もあきれて、「お前らはどうしてもっとロマンチックな方向に話をもってってやらねぇんだよw」ってあきれてた。
優家に泊まり、朝5時くらいまでひたすら俺達は酒飲んだりして語ってた。いつの間にか俺達は寝てて。俺が起きたのは10時だった。
まだみんな寝ている、俺はこれから先輩の家行かなきゃいけなかったから、置手紙をして帰る事にした。
優の部屋から出て玄関へと向かい優の両親に挨拶をした時。
優兄「五十嵐、バイクで駅まで乗っけてってやるよ。俺も予備校行かなきゃいけねぇから。」
と親切な先輩。
樹「あ、ありがとうございます。」
俺は遠慮なく優兄のバイクへ乗る事にした、優の兄貴が俺に言う。
優兄「五十嵐、ありがとうな。優が最近笑うようになったのは君のおかげだ。アイツ家だと全然笑わないんだよ。常に気を張ってる感じで、それが最近ほどけてきてる感じがあって、それは五十嵐やお前ら仲間のおかげだと思うんだ。詳しい事はいえないけど、ありがとうな」
俺はわけがわからなかったけど、でもなんでかとかは聞いちゃいけない気がして。
樹「あ、はい。」としか答えようがなかった。
ただなんとなくわかったこと、優も優兄も心の闇は大きいって思った事。それが何かとかはいえないけども、それを俺なり仲間で解決できたならそれは大きな進歩があったんじゃないかと思う。