俺はひたすら自分を傷つける事しか考えてなかった。俺なんて・・・・、俺の今の生きてる目的は何?俺はなんなんだろう?ひたすら考え、俺の手はいつの間にか傷だらけになっていた。
そんな時、何を思ったか久々に学校に行こうって思ったんだ、そこは先輩との思い出が一番溢れてる場所なのに・・・。だからそれを見たくなくて行きたくないって思ってたはずなのに。俺は自然といつものサボりコースではなく学校へ向かう電車に向かい気づいたら学校の校門へと着く。
久々の学校、もう2週間くらい学校きてなかったんだって考える、桜の花はもう葉っぱがついている。真新しい制服を着た1年生。
樹「春なんだ・・・・」俺は本当にそう思った。
校舎に入りクラスへ向かう、1年の時とは違う道。
昇降口のところで俺は先輩と俺のいつも別れるシーンを思い出す。
「先輩また部活でー」「おぅ!樹!授業中寝るなよー」
そういう当たり前の風景は今はない、授業中の為静まり返る校舎。目を閉じると走馬灯のように色々思い出す・・・・。
その時だった、俺は後ろから頭をなでられる。
樹「海先輩・・・・。」それは海先輩だった、先輩は笑顔だった。その笑顔と対象に暗い俺。
海「五十嵐、久々じゃねぇか。一樹ショックからまだ立ち上がれてねぇみたいだな?今授業中で次までまだ時間あるし。ちょっと喋ろうか?」
樹「・・・・・・・」俺はただ無言だった。海先輩は俺の手を引いて歩き出す、先輩が俺の手を見た瞬間。顔が変わったのがわかった・・・・。ボロボロの手を先輩がみてる、でもどうでもいい。誰に見られても自殺しようとしたって思われても。誰にも関係ないそんな風に思ってた。
やっぱり、学校のいたるところに俺と先輩の思い出の場所がある、普段一緒に過ごしてたこの場所にもういないんだ・・・って思うと胸が本当に苦しくなった。
ついた場所は保健室・・・。先輩はドアを開ける。
先生「五十嵐君・・・。ようやく学校きたのね。すごい痩せたわ・・・・。」と先生は心配してる感じだった。
海「先生、ちょっとこいつと話したいんだけど。奥の部屋いいかな?」と先輩は先生に言う。
先生「今誰も寝てないし。いいわよ」そういうと先生はやっていた仕事に戻る。
海「いこうぜ?」先輩はあくまで俺に優しかった。
そういうと奥の部屋へと入り、先輩は椅子にすわって俺も同じように椅子へと座る。
長い沈黙だった、俺にはとてもとても長い沈黙のように思えた、先輩は何か言葉を捜しているようで俺はただ何も言わない。
すると先輩は意を決したように言う。。。
海「お前が辛いようにみんな辛いよ。うちのクラスの誰もあいつが転校するなんて知らなかった・・・。だからもう最初はみんなビックリって感じだったよ、挨拶すらなくてただ転校しましたって伝えられただけだったから・・・・。親友の俺にも何も言わなかったんだぜ?あいつは・・・。だから俺もちょっとショックだったよ。」
俺はただ何も言わずに話しを聞く。
海「お前に伝えようとしてクラスに行ったらお前はいなくて、浅野に聞いたら泣き出して出てったっていうから。やっぱりお前も知らなかったんだって思ったよ。そんでサエちゃんが色々教えてくれて。。。ちゃんと伝えられたか?お前の言葉で何かを・・・」先輩は俺から目を離そうとしなかった。
俺は正直に話す・・・。
樹「先輩・・・・、俺一樹先輩に捨てられたんですかね。なんか新幹線のホームにいっても俺は何も伝えられなかった・・・。そのまま意味わかんないまま先輩はいっちゃって・・・。俺はずっと考えました、なんで?なんで?ってただ答えなんか当然見つかるはずなくて・・・・、俺それから死のうっておもって・・・それ から・・・・・」そう言いかけたとたん、先輩は俺の事を抱き寄せた。
海「お前が辛いの本当によくわかっから・・・・。俺に思いっきり吐き出しちまえよ。受け止めてやっからよ」と先輩は頭をなでてくれた。
それはまるで一樹先輩みたいで・・・・俺はボロボロ泣きながらドンドン言葉が出てくる・・・。
樹「先輩・・・家族が出来るって・・・。もう一回家族ができるって・・・・。だ、けど俺わかってるのに受け止められなくて、先輩がもういきなりいなくなるなんて考えられなくて・・・、それだけいつの間にか好きになってて。俺、もう何がなんだかわかんなくて・・・・。手切って痛くなくて・・・血が綺麗で・・・・ 。飯食っても吐いちゃうし・・・。もうなんだかわけわかんない・・・・。」俺は先輩のYシャツを握り締める。。。
海「一樹はお前が死んだら誰よりも悲しむぞ?だからそんな事するのはやめろ。俺もお前が死んだら悲しいし、お前の仲間もだ。一人じゃねぇんだから抱え込まなくたっていいんだよ?」と先輩は俺の頭をなでてくれながらいう・・・。
俺はなんだかすごい落ち着いた・・・、先輩の優しさ。いや、その先輩のいってる事が全部一樹先輩が言ってるみたいに聞こえたんだ・・・。
続けて先輩はこういう。
海「あいつの連絡先とか転校先担任は口止めとかされてるみたいだし、個人情報とかなんとかで中々教えてくれないんだけどよ。他の先生も同じ・・・。サエちゃんとかも絶対教えてくれないはずなんだけど、この前職員室に用があって担任の机に書類おく時に見ちゃったんだよ。高橋一樹の件で〜って言う文章があってその 下の封筒に大阪の〜高校って書いてあるの・・・・。だからあいつその〜高校にいったのかも・・・・。」
と先輩は言う。
樹「〜高校・・・・・・」その高校は一応有名な高校だったから俺も知ってた。
海「もし、その〜高校なら不自然じゃねぇんだよ。あいつのじぃちゃんちって大阪と神戸の間くらいだろ?だからそこなら大阪なら通えるだろうし、頭もいいし。うちの学校の生徒なら大歓迎なはずじゃねぇかって思うんだよな・・・。まぁ違ってるかもしれねぇけど・・・・・。携帯も何もかもあいつ変えやがったからな・ ・・・、ったくよ・・・あのバカはな・・・。でも一つだけ確実なのは関西にいるっていうの確実だな。。。」と先輩もすごい悲しそうな顔だった。
先輩にとっても一樹先輩は親友だったはずだったし、その人に何も言われずにバイバイされたらそれはショックだろう・・・・。だけどこの人はそんな自分のショックよりも俺の事をすごい心配してくれてなんて強い人なんだろうって俺はその時思った・・・。
その時授業終了のチャイムが鳴る・・・・。
海「五十嵐?何かあったら俺んとこ来い?一樹の代わりになれるかわかんねぇけど。話とかなら聞くから。あ、Hはムリだぜ?俺そのなんだフツーだからよwまぁAVならいつでも貸してやっからさ〜w」と先輩は笑う。
俺もなんだかつられて笑ってしまった。すると先輩
海「やっと笑ったな?そう、それでいい。今はムリかもしれねぇけどちょっとづつ元気出していこうぜ?んじゃ教室まで送ってってやるからいくぞ!」というと先輩は立ち上がりカバンをとる。
俺は先輩のその優しさに救われた。あの昇降口で先輩に逢ってなかったら俺どうしていただろう、思い出だらけのこの学校で本当に自殺していたかもしれない、たかが恋人がいなくなったくらいで自殺なんて思う人もたくさんいると思う。けど俺はそれが今までで一番愛し・尊敬していた人間だったからそこまで達したのかな ?って今は思う。
俺はこの海先輩のおかげでそのあとどれくらい学校生活が楽しくなっただろうって考えると本当にこの人に感謝してます・・・・。
俺は教室へと向かう、久々の学校久々の教室へ行く道、今は休み時間なので生徒がトイレにいったりジュースを自販機で買ったり色々各々の時間を過ごす。
俺は海先輩にこれ以上迷惑かけちゃいけないと思って言う。
樹「ここまでで大丈夫です、先輩色々話とか聞いてもらってありがとうございました。」
俺は本当にお礼を込めていったつもり。
海「そうか。これから部活なりなんなりお前らに渡すんだからな?学校しっかりこいよ?なんかあったらメールなり電話なりするんだぞ?」先輩のやさしい笑顔
樹「ありがとうございます。んじゃ」そういい俺は教室へと歩き出す。
教室の前につき、俺はドアを開ける。
ドアを開けると何事もないようにみんなが接してくれた、俺はそれが一番暖かかった・・・。
知らない女の子に突然自己紹介されて「やっときたー!よろしくー!」とか言われたり。男でも結構五月蝿そうな奴もなんかはじめてなのに軽く話しかけてきたり・・・。ちょっと不思議な感覚だった。
すると前から優とヒロが来る。
優「おぃ、ちょっと顔かせ。」優はセカセカ歩き出す。ヒロは一言。
ヒロ「あーあ、優ご立腹だぜ?まぁ、俺もだけど・・・。とりあえず学校きてよかった」そうヒロは安心したような顔だった。
とりあえず俺はご立腹の優のところへ行く。
優の顔はとっても険しかった
優「んで?一樹先輩が転校したのを知ったお前はあまりのショックで2週間学校休んであげくのはてに何その手、自殺までしようとしたってわけ?」心配するどころか切れまくりの優・・・。
優「お前さ、世の中なめてんの?お前の今心で思ってる事いってやろうか?「「あれ?なんで慰めの一つもしてくれないの?」」って顔してますけど、俺はそんな甘くねぇよ。手の傷見たらますます怒りがましてきたわ・・・・。」
樹「心配かけてごめん・・。でも俺だって辛かったんだよ!いきなり先輩がいなくなるし、最後に何もいえなかったんだ・・・。そんな切れなくても・・・・。」ってちょっと反抗してみる。
するとますます優さまの怒りが爆発した。それは優独特の冷静で静かな切れ方
優「もうさ、自殺したきゃすれば?あのさ、お前の気持ちがわからないとでも思った?なんで俺らを頼ってこなかったんだよ。俺らダチだろ?そういう辛い時にこそ頼るもんなんだよ、電話かけてもでねぇ、メールしても何も返事ない。どれだけみんな心配したと思ってんだよ。もう学校辞める説まで出てたんだぞ?家行っても引きこもってるみたいな感じで言われるし。んで学校きてみたらその傷。それで一樹先輩は嬉しいのかね?お前がリスカしたとか聞いたらどんだけ悲しむんだろうな。そういう事考えてちゃんと行動してんのか?先輩からの手紙に少なくともお前は俺がいなくなったら自殺してくれとか書いてねぇだろ?明らかに何も言わないで手
紙おいてくってことはよっぽどの事情だし、一樹先輩だって辛いに決まってるのに。そんな向こうの思いも何も考えないで死ぬとかありえない。もうお前を甘やかしちゃいけないんだって今回の事で思ったわ、俺は。んじゃ」