俺は一気に指を三本入れてみた。
これなら多少痛がるだろうと。
「ん…ぁ…」
「痛くない?」
「大丈夫…」
「そう…か」
おかしい。
俺が初めてアナルに入れられたとき、指三本はキツかった。
痛くて怖かった。
いくら好きな人とするための行為でも、痛くて怖かった。
裕康は俺のために痛いのを我慢してくれているのだろうか。
でも、予想以上にすんなりとアナルに指が入った。
「なぁ…」
「ん?」
幼さが残る笑み。
「なんでもない」
信じたかった。
裕康の彼氏として。
「正常位でして」
「あぁ」
俺はゴムを用意した。
「やだ…生がイイ」
「え?」
「大紀の精液、中にちょうだぃ」
「でも、病気とか」
「大紀…好きだよ…」
自分はバカだった。
思い出せなかった。
『ちゃんと用意してね』と言ったのは裕康のほうだったのに。
俺は裕康を犯した。
喘ぎの合間から何度も名前を呼ばれた。
俺はただ動物のように腰を振り続けた。
「いきそ…」
「中にきてッ」
「裕康!イクッイクッ!」
「あぁ…ぁ…」
涙を流しながら微笑む裕康。
「やっと大紀だけのモノになったね」
なぜ俺は微笑み返せなかったのだろう…。