初めまして明宏って言います。
皆さんの投稿を見ていて俺も書きたくなったので書かせていただきます。
すこし長くなるかも知れませんが、よかったら読んでください。
俺は澤田明宏(サワダアキヒロ)、□□高校に通う現在一年生。だから来年は二年生になる。
俺には幼稚園から幼馴染の友人?がいる。そいつの名前も、なぜ友人ハテナなのかも、後々説明できたら――というか、書くうちにそいつの人間性なんかからわかってくると思う。
皆高校くらいなら幼稚園からずっと幼馴染の友人というのは普通にいると思う。ていうか俺にもそいつ以外に幼稚園からの幼馴染は何人もいる。今でも楽しく遊んでいる親しい友達もいれば、顔見知り程度で特に話したこともないような人もいる。けど高校に入って、同じ高校で幼稚園からの幼馴染といえば、とうとうそいつ一人になってしまったのだ。
……この一年、本当にいろいろあった。思い出すだけでも頭が痛くなってため息が漏れる……それを今から話していきたいと思う。
前説としてあとひとつ。そいつとは家もそんなに離れておらず、幼稚園から仲が良かった(あのころは仲がよかった)のもあって、もう今では家族ぐるみの付き合いになっていることも念頭に置いておいてほしい。
それではようやく本文へ……
俺は□□高校へ通うため試験を受けた。公立高校で男女共学のどこにでもある高校。でも高校のレベルとしては結構上で、誰しもが入れるとは限らない、その都道府県では結構知られた高校である。
俺のほかにも同じ中学校から受験をしている人もいた。たしか5、6人いたと思う。
今日はいよいよその高校に行って、試験結果を見に行く日。発表は正午からだったので俺はそれまで熟睡していた。
そして11時ごろになると突然携帯が鳴り出した。
俺はその大音量の呼び出し音で目が覚めた。手探りで枕もとの携帯を探すと、通話ボタンを押して耳に当てた。眠気調子のまま電話に出た。
「……もしもし」
「アキ?今何時だと思ってんの?11時回ってるよ!?」
「え?あ、そう……」
そいつからの電話だった。いわゆるお目覚め電話ってやつだ。昨日頼んでおいた。けど俺の頭はまだ起きてない。
そしてそいつの言葉をどんどん理解していくと、事態が緊急を要するものだと理解してきて、眠気も吹っ飛んで時計を見た。すると時計は11時30分を指そうとしているところで、30分近くも遅刻していることに気づいた。
俺は布団からとび出して、携帯を肩に挟みながら着替え始めた。
「なんでもっと早くに電話くれなかったの!」
「え、ごめん……っていうか自分の寝坊を俺に押し付けるなよ!」
「でもおまえ、30分も待ってたわけだろ!もっと早くに電話してこいよ!」
俺は機用にズボンを脱いで、中学の制服のズボンに履き替えた。そう、そいつと試験結果を見に行く約束をしていたのだ。11時に待ち合わせ場所でおちあう約束をしていた。
「ごめん」
そいつが素直に謝るから俺が真の悪になってしまう。
「悪かったよ。俺が悪い。すぐに行くからもうちょっと待ってて」
「うん」
そう言うと電話を切って上を脱いで制服に着替えると、携帯をポケットに突っ込みカバンを持って自分の部屋を出た。俺の家は普通の一軒家で二階建ての家だったから、階段をどたどたとおり、そのまま玄関に向かった。母さんがその騒々しい階段を降りる音で、リビングから声をかけてくる。
「明宏ー、朝ごはんはー?」
「食べてる時間ないっ!」
それだけを言うとあわただしく家をとび出した。
そしてすぐさまそいつとの待ち合わせ場所に急いだ。
その高校までは電車で通うことになる。初めての電車通いだ。
電車で五駅行ったところで下車して、5分ほど歩くとその高校に着く。
登校時間はざっと50分程度だった。
高校の正門に着くと、すでにたくさんの人でごった返していた。女の子がきゃあきゃあわめく音やらいろんな音がして、ずいぶん盛り上がっているようだった。
「すごい騒ぎだね」
俺の隣にいるそいつが言った。
「あ、ああ」
俺はあまりの騒ぎに圧巻させられた。
「とにかく結果を見に行こうよ」
俺はうなずいて正門をくぐり、試験結果が掲示してあるエリアに向かった。
試験結果は二階建ての校舎から垂らす形で発表されていて、人の波をかきわけながら番号が見える位置まで向かった。
そして、見上げて、自分の番号があるかどうかを探した。
試験は自信があった。たぶん受かっていると思うのだが、さすがに緊張した。
そして1桁目が自分と同じ桁のところにたどり着き、そのまま視線を落とすと、2桁目が一緒になって、最後には……3桁目も同じ番号を見つけた!
「……受かった……」
感動というよりむしろ、ほっとしたというか、無感情になったというか、喜びは遅れて感じるものだった。
ふと我に返り、隣のそいつを見た。するとそいつも俺を見返してきて、親指を立てて軽く微笑んだ。そいつも合格したらしかった。
結局、俺の中学校からは6人中、5人が合格した。そのうちの2人は俺たちで、あとの3人は女子生徒だった。
そしていよいよ□□高校での高校生活がはじまる。
思い出すだけでため息が漏れるような高校生活が……