すぐに寝巻きに着替えた。
「同じ部屋が嫌ならそう言えよ」
「別に?嫌じゃないけど」
「・・・なんで」
「あ?」
「なんで一緒にいれるの?」
あんな俺の姿を見た後に平気なわけない。
「一緒にいたいから」
「一緒に・・・?」
「そう。それだけじゃダメ?」
胸が痛い。
「なんで一緒にいたいの?」
「そうきたか・・・」
困ったような顔をする孝太。
「そだなぁ・・・大事な人だからかな」
「大事・・・」
「前にも言っただろ」
「孝・・・太」
ボロボロと涙が零れた。
「馬鹿だなぁ」
そっと近づいてきて抱きしめてくれた。
「自分を大事にしろ」
「ごめんなさい」
しがみついた。
孝太の胸に顔を埋め泣いた。
嬉しくて泣いたのは初めてだった。
「落ち着いた?」
「ぅん・・・」
それでも顔を見れなかった。
恥ずかしい。
「どした?」
「なんでもねぇよ」
俺は孝太に全て話した。
昔からしてきた自分の汚れを。
「そう・・・だったのか」
「孝太?」
「ごめんな・・・。そんな・・・ぅん」
何を納得したんだろう。
てか、なぜ急に泣きだした??
「ツラかったな」
「ぅん」
「もうするなよ」
「ぅん」
「明日予定あるか?」
「特には」
「俺もない」
「そか」
「だから男同士語ろう。てか暇だから遊ぼう」
「いいけど」
「よし!じゃあ寝よう!おやすみ」
「おやすみ」
初めて知った。
孝太って、爽やかかと思ったら意外と熱い奴だ。
土曜だ。
「おはよ」
爽やかな笑顔。
「おはよ」
時計を見る。
まだ6時。
なぜ休日にこんな早く起こされなきゃならない。
「・・・おやすみ」
「遊びに行くんだろ!?」
「まだ6時だし・・・」
「早いほうがいいじゃん」
「っせぇなぁ!お前も寝ろ!」
「ちぇ・・・つまんない」
子供かお前は。
部屋を出ていく孝太。
「ったく・・・」
再び眠ろうとしたとき、コーヒーの匂いがしてテーブル(ちゃぶだい?)を見る。
「・・・バカじゃね」
そこには学食から持ってきたのか、おにぎりが6つとカップが2つ置いてあった。
俺は起きて軽く寝癖を直し通路に顔を出した。
誰もいない。
まぁ、当たり前と言ったら当たり前だな。
便所に行くと孝太が手を洗っていた。
「起きたのか?」
「あぁ・・・」
「そうか」
そのまま行こうとする孝太。
「あの!」
「なんだ?」
「・・・朝食、俺が行くまで食うなよ」
「当たり前だろ」
ニカッと無邪気な笑みを向けられた。
それだけで俺は嬉しくなった。