一目惚れだった。
中1の時に隣の席だったユウキに。
人見知りな俺は話しかけられずにいた。
だけど向こうから『ユウタ…だっけ?』って声をかけてくれた。
それから話すようになった。
一緒に遊んだりするウチに、いつの間にか『もっといたい』と思うようになった。
好きだと気付いた。
ゲイだと告白したとき、玉砕覚悟でユウキに告白しようとしていた。
なのに『親友』と言われて何も言えなかった。
だから、想いを閉じ込めていた。
『親友』を裏切らないために…。
ユウキの家に行くことになった。
「おじゃまします」
「親いないから」
すごく気になるフレーズ。
普通に言ったのに何故かドキドキした。
ゲームしたり雑談したりした。
「なぁ、ゲームに勝ったら質問するってどぉ?されたら絶対答えなきゃダメ」
「いいよ」
1回戦…負け。
「好きな人いる?」
「いる…よ」
2回戦…負け。
「まだ男好き?」
「…好き」
3回戦…勝ち。
「好きな人いますか?」
「いるよ」
4回戦…負け。
「好きな人との出会いは?」
「中1…だよ」
5回戦…勝ち。
「誰かと…したことある?」
「バカ!あるわけねぇだろ!」
それからいろいろ質問が続き。
17回戦…負け。
「その…俺のこと好き?」
「ぇ…」
「質問だよ。答えて」
「す…す…好き…です」
言っちゃった。
隠してた想いを。
引かれるだろうな。
不意に涙が溢れた。
「おいッ泣くなよ!」
「ごめん…ごめん…」
拭っても拭っても溢れてしまう。
「俺も…好きだから、な」
抱き締められて言われた。
「うそ…」
「本当」
頬に優しいキス。
そして涙をペロッと舐められた。
「前から好きだった」
その言葉に、俺は泣くしかなかった。