登校途中に出した「友達募集」掲示板に返信メールが五通。昼休みにタメの同学年からのメールだけに返信。残りはシカト(1行メールとサポメール即削除)。写メ交換ののち待合わせを決めた。通学経路途中のターミナル駅のファーストフード。
「写メよりもカッコいいね」
「えー、そっちのほうがカッコいいじゃん」
カウンターにならんでのお決まりの会話。制服姿も決まってるし髪も気つかってる感じだけど、内心、写メちょっと詐欺ってないかと思ったり。どうせ向こうもそう思ってる。でも充分及第点。及第点とはチンポしゃぶりあえるレベルということ。
部活…休日の過ごし方…カラオケでなに歌う?…住みどこらへん?…お決まりの会話。こっちも向こうも適当に嘘を混ぜて。二度と会わない相手だし。こっちが会いたいと思っても向こうがそう思うとは限らない。逆の場合で、向こうからのメールがウザければサブアド変更で逃げるだけ。でも、この手の相手からあとでメールが来ることはほとんどない。
「経験どんくらい? バイだっけ?」
ようやくそっち方面の話。こんな感じ?と5本の指を広げる。少なめのほうが受けがいい。バイだけど女の子は…と、今度は指2本。マジ、どっちも人数おなじー。という答え。本当かも、と思うそばから、どーせ俺といっしょで嘘こいてんだろ、と思う俺もいて。相手が年上、大学生なんかだともっと減らして答えるけどゼロにはしない。嘘くさい。
携帯を開いて時計を確かめる。会ってから15分。新規メール作成画面に「あそんでくよね?」と打ち込んで相手の目を見つめる。携帯の画面から俺の顔にすばやくむけられる視線。その視線が、さっき俺のグレーのスラックスの中央盗み見てたのは知ってる。俺も見てたし。