あまりに幼すぎた。小学生の顔で肌は白く背も低い。トレーニング着はぶかぶかだった。
「早くしろ!」と怒号が飛ぶ。
トモキは表情を堅くしトレーニング着の下を脱ぎ黒いボクサーブリーフ一枚になる。細すぎる。
僕は心配だった。他の奴らと違う。肌が浅黒く焼けた他のイモ中学生と同じ扱いはできない。
トモキは覚悟を決め最後の一枚を脱ぐと真っ白な小さな包茎がぷらぷらとぶら下がった。
「立たせて射精しろ!」周りは子ども扱いを許さない。
トモキは見よう見まねで他の奴らと同じように皮を上下に動かして勃起させようとする。
「早くしろよバカ」何人かがイラ立つように怒鳴りつける。トモキは縮み上がり手の動きもぎごちない。
「精子自体出ないんじゃねぇ?」「そもそもお前皮ムけるのか?」
一人の奴がトモキの包茎をつまんで引っ張ろうとした。あわてて僕はそいつの手を払い、そいつの代わりに引っ張った。
僕は不機嫌そうな表情をわざと作った。動きもがさつに乱暴にいじめるかの雰囲気を作った。
トモキは完全に恐怖におびえきっていた。勃起することさえ無理だろうと思い、他の先輩に対しどうやって言い逃れしようか考えつつトモキを触る。
ところが僕の手がトモキの包茎を包むと十秒としないうちに不思議にどんどんと硬く大きくなった。他の新人の勃起と変わらないくらいの立派な長さと太さは持ち合わせていた。
トモキの興奮した表情は小学生のままだった。一年ぶりに触るトモキのおちんちん。トモキのおちんちんには小学生時代から決まった触り方があった。
「立っても射精できないだろ。このバカは皮ムいて終わりにしろ。」
かわいそうだったが少々無理に包茎をムいた。
「こんなヤツでいいのか」と僕に対してもヤジが飛んだ。僕は無事にトモキを付き人に確保し帰路についた。「ツキビト」と途中まで肩を並べて帰ったがその日トモキとは一切言葉を交わせなかった。
暗い気持ちだったのは体育会系の独特な上下関係に、弟のともだちへの小学生時代の恋愛感情をつぶされた気がしたからかもしれない。あの子どもの無言は今日の痛い虐待を受けた後遺症かもしれない。
しかし唯一の救いは僕の手だけがトモキを勃起させたことだった。
昔を思い出した。小学6年のその一週間は弟が入院していた。トモキを部屋に呼び、ひざの上に乗せてパソコンで面白動画を見せる。可愛かった。好きだった。天使だった。
そのトモキが唐突に聞いてきた。「お兄ちゃん、ちんげ生えた?」