全部脱いで、雰囲気のないこの男のおかげで、ちょっと頭が冴えてきた。そして、迷った。
…最後は、役割があるぞ。
変態だ、と自分で思った。
…どっちかが、むっちゃいたいことなるんじゃないか。それくらいの知識と、いれる場所が1つしかないことに気が付いて。
『そんな風に焦らすなよ。』
無意識に手に力が入ったり抜けたりしてたようで、ニギニギしてたみたいになった。
結局冷静に戻れた僕は、布団の中に潜ることにした。妄想通り、くわえてみた。なんかしょっぱい。
『あー。健太どこでならったんやすごいなぁ。』
僕は、見よう見まねでしてみた。必死に上下させたり、吸い付いたり、いろいろしてみた。
優史は、いろいろと声を出しながら、時々布団を開き、覗いていた。
だんだん口の中のしょっぱさがましてくる。優史もよく声が出る。かすれ声で、
『健ちゃん。もうヤバいから、出てき。』
もちろん聞かず、僕は最後まで離さない気でいた。
優史は、布団を剥ぎ取り、
『健太、でる。でる……から、…』
途中で我慢ができなかったみたいで、ちょっと叫びながら口の中に出した。
口からティッシュに出して、
「黒のシーツに飛んで、白いシミになったら大変やろ。」
って言ったら、ムクッと起き上がり、抱き締められた。
『頑張ってる健太が、また俺好きになった。』
くちびるがあわさった。
そう言った顔は、こんな真冬なのに、暖かく、さわやかだった。
「優史、顔だけ5月やぞ。」
僕は、その時思ったことを、意味など考えなく述べた。
『5月顔ってなんやねん。』
「そんなけ、…好きってことや。」
頭の回転数が落ちた僕は、また変な言葉でやり過ごし、
初めて、キスをしてから舌が触れあった。ちょっとからんだだけだったが、幸せを感じる。
くちびるが離れ、優史が、僕のものを上下に動かす。
『俺も、頑張らんならなぁ。』
「義務ならしていらん。」
『俺も、シーツに1滴もこぼさせへん。』
パクッとくわえ込み、見よう見まねでしてた僕の見よう見まねでする。
なんか初めてくわえられて、恥ずかしいのと、ちょっとくすぐったかった。