続き書きます!
「でさでさ…」
「うんうん」
智也が楽しそうに話してるの。
俺はテキトーに返事する。
チャリに乗ればイイのに、
運動と言って徒歩で登校してる。
そのせいで俺はチャリから降りて歩かなきゃならない。
こいつは勉強以外はできるやつだ。
ルックス、音感、スポーツ。
平均より上が良いというなら勉強も平均以上だ。
それに比べて俺は…。
身長低いし。
勉強じゃ負けない。
てか、負けられない。
それでも学年10位前後。
智也は20位前後。
智也の場合は努力しないで、
もしくはそれを表に出さないでその順位。
俺は必死に勉強してその程度。
そういうことを考えると、
自分にも智也にも悪いからあまり考えないことにする。
「奏、最近誰かと会った?」
変なニュアンス。
いや、普通だろ。
でも、会った?って…。
きっと中学校の人だろ。
「誰かって?」
焦る気持ちを抑え、落ち着いた声で返す。
「そうだな…。ん〜後輩とか」
「会ったよ。遊んだんだ」
そう遊んだ。
家にお邪魔して、欲求に身を任せて…。
「そうなんだ。いや、この間、二人でいるの見たからさ」
なんでもない質問。
こいつを疑う必要なんかない。
智也は親友でいてくれるはずだ。
きっと俺のことを知っても。
「奏、なんかあったら言えよ」
「言う言う、心配すんな」
あえて軽く笑う。
智也は俺を見つめ、まるで真意を読み取ろうとしているよう。
俺が「見つめんなキショイから」なんて言っても見てくる。
だから俺も見返した。
「……」
「……」
お互い沈黙。
「…ぷっ」
先に沈黙を破ったのは智也だった。