ここ最近の話じゃないけど、俺が高校生だったときの話。
当時、高校に入ってから知り合った仲間たちとよくつるんでいた。
俺(コウキ)、ユウト、ソウマの3人だ。
嫌味を承知で書くけど、俺たちは学年でもトップのイケメンで、いわゆるスクールカーストの上位にいるキャラだった。
いま思えば、友達というより、カースト上位の同族意識でつるんでいた仲だったような気がする。
当然女にはモテたし、他の2人とヤッた人数を競うようなこともあった。
生意気だけども、16、7歳くらいでセックスの楽しみは味わいつくしたと思っているくらいだった。
2年生に上がったときから、俺たちのグループに新たな1人が加わった。
リョウという名前で、彼も目立つイケメンだった。大きな瞳に中性的なマッシュウルフが印象的な、どちらかというかわいい系と言われるような顔立ちだ。
身長は低いほうではないし、筋肉がないでもなかったけど、全体的にスリムなラインに細い腰つきをしているせいで、とにかく華奢に見える雰囲気がある。
こんな美少年が学年にいたかなと疑問に思ったけど、どうやら親の転勤の都合で、2年次に東京の高校から編入してきたらしい。
ユウトがまず彼と親しくなり、自然と俺たちのグループに加わる形になった。
リョウはちょっと変わっていて、ゲイであることを全く秘密にしないヤツだった。
とにかく、東京では男子大学生と付き合ってたとか、社会人とセックスしていたとかいうエピソードを包み隠さずまわりに話すのだった。
地方の高校生たちにとってはかなり珍しいタイプだったけど、まわりからは「やっぱ東京から来た人は違うんだな、、」と受け取られていた。
それに本人が明るい陽キャだったのと、話にリアリティを持たせるだけの美形だったせいで、あまり引かれるということはなかった。
とくに女子からは「付き合ってた人の顔見せて!」「うわめっちゃかっこいい!」といった感じに、くわしい情報をせがまれるくらいだった。
俺たちが最初にリョウを誘い込んだのは、自分たちのグループに珍しいイケメンを加えようという気持ちからだったのかもしれない。
とは言え、俺たちは表面上は、まったく普通の友達関係である、、、はずだった。
【続く】