かなりびびった。
しかも力がめちゃ強い。
「ばか、ゆうご離せって!お前でかいし重いんだよ!!」
「やだ。俺と風呂入るっていうまで話さへん!」
「だー、もう!おまえは子供か!!離せー重いー!」
二人で組み合ってると俺はバランスを崩してベッドに倒れこんだ。
上にはゆうご。
真っすぐ俺の方を見てる真っ赤なゆうご。
俺はもうどうにでもなれ、って感じだった。
「な、とむくん、風呂(笑)」
ニカッと笑ってゆうごは俺の鼻にコツンとゆうごの鼻をくっつけてきた。
酔ってるだけか、それとも……
ただ今はゆうごがこんなに俺の近くにいる。
ゆうごからすげーいい匂いがしてきた。海のような甘く、くすんだ強い匂い。
俺はもうたまらなかった。
んー?というゆうごに俺はきつく抱きついた。
「なんだよとむくんー。苦しいってー。」
ゆうごはケラケラ笑っている。
そんな笑顔も俺には全部輝いて見える。
俺はまたきつくゆうごにギュッとした。
「俺、風呂入る!なにじゃれあってるんー笑しかも俺男だしー(爆)」
ゆうごはムクッと起き上がり俺を横にどけた。
俺はやっぱノンケなんだなー、と寂しくなった。酒も入ってるせいもあって余計だった。
「風呂入ってこいよ、ゆうご。先にお前一人でだ。」
「なんでー?早くー、俺といっしょ……」
「いいから!お前一人で入れよ!!ベタベタすんなよ、風呂くらい一人で入れねーのかよ!!怒」
気が付いたら俺はゆうごに怒鳴っていた。
ゆうごは静かになった。
そして目線を下に向け、
「わかったっす…」
と風呂に入っていった。