そしていつのまにか僕は寝てた。
朝早くに目覚めた僕は携帯を確認する。
不在着信1件。
新着メール3件。
知らない番号からの着信。
受信メールを見ると、全部ユウ君からだった…
『今日買ったネックレス、みんなに好評やで!漣センスあるなぁ〜!』
『漣どしたん?寝てるん?』
『電話したんやけど、漣寝てるみたいやな。俺の番号090………やから登録しといてや!起きたらメールして!おやすみ。』
いきなりこんな事してしまった僕は速攻でメールした。
『ユウ君ゴメン!寝てしまってた…。なんにも言わず寝てしまって本当ゴメン!』
30分くらいしてユウ君から
『おはよう!寝てたんなら仕方ないよ!けどな、漣に何かあったかもって心配してしまうから、今度から一言でいいから、できるだけ言うてや!』
『わかった!約束する!』
ユウ君とのメールも一段落したあと、僕はユウ君に無性に会いたくなった。遠目からなら大丈夫かな?って思って、だからユウ君には何も言わず、練習場に見に行く事にした。
練習のスケジュールなんて知らないけど、午前中のうちにその施設に向かった。
やってるやってる(>∀<)
ユウ君わぁ〜…いたいた。
やっぱりカッコいいなぁ〜。
遠目で見てたけど、やっぱり近くで見たくなって近づいてみる事にした。
昨日のユウ君とは違う、プロの選手のユウ君。
笑顔を見せながら練習してるけど、目が違う。オンの顔。
ずーっとユウ君を目で追ってたら、すぐ横で大学生くらいの女の人2人が『岡本カッコいい〜!若干チャラそうだけど彼女とか居んのかな?』『そりゃ居るんじゃない?』『メアド渡したらメールくれるかな?笑』『あんたみたいのがタイプなら、もしかしたらあるんじゃない?笑』なんて話してた…
標準語で話してたから、東京の方からわざわざ来たのかなぁ〜?
岡本とは、仮名だけどユウ君の事。
ユウ君と付き合ってるの僕だよ〜!しかも昨日から。しかもしかもユウ君から!キスもしたんだよ(>∀<)そう思った。
けどこんな事誰にも言えない。
なんだか切なくなって、その場を離れたくてお茶を買いに行く事にした。
もしメアド渡されたら、ユウ君メールするのかな?
言われてみればチャライ雰囲気あるしなぁー。
なんともいえない不安な気持ちがいっぱいになってた…
あの女の人がアド渡すか見てないと…!!そう思い、急いで戻った。
ちょっとすると、午前中の練習が終わったみたいで選手が引き上げていきだした。
ちょっと離れた、けど見える場所で見てた。
出口には何人ものファンが出待ちしてる。
それぞれ目当ての選手にサインを求めたり、握手をしてもらったりしてる。
ユウ君も出てきた。
何人かがサインと握手を求めて、それに応えてるユウ君。
移動用のバスに乗る直前、さっきの女の人がユウ君にサインしてもらいだした。そして最後に封筒みたいなのをユウ君に渡した!
声は聞こえないけど、その封筒らしき物を持った手を軽くあげ、確実にユウ君は『ありがとう』と言った。
それを見て、僕は駐車場に向かって歩きだし、そのあと後ろをバスが通る音がしてバスはいなくなった。