小学校5年生のときの話。同じクラスに茂っていう面白いヤツがいた。茂とは幼稚園が同じでしかも帰る方向が一緒、更に同じ少年野球チームに入っていたからすぐに仲良くなった。素直で優しいヤツだったから、当時あんまり友達が多くなかった僕でも仲良くなるのにそんなに時間はかからなかった。茂は少年野球をやったり柔道をやったり水泳をやったりで結構スポーツ三昧なヤツだったけど、身体はそんなに大きいワケでもなくて背の順に並べばクラスでは前から数えた方が早い。勉強はお世辞にもできる方じゃなくて、どちらかと言うと最下位を争うような感じ。まずあまり授業を聞いていない、しかも宿題は全くやらない、先生の言うことを聞かない、かなりやんちゃな子だったからよく先生に呼び出されて怒られてばかりいた。でも怒られてばかりいてもあまり凹んだりしなくて、すぐに立ち直ってまた悪いことをする。その繰り返しで懲りずに毎日のように怒られ続けていた。でもそんな茂も体育の授業だけは好きみたいで、活発な動きを見せる。その当時、クロールと平泳ぎくらいはできても、バタフライと背泳ぎを完璧にこなすのは学年でも茂くらいだったと思う。話は水泳の授業のときから始まる。 当日僕が通っていた小学校には体育の水泳の授業に学校指定の水着は無かった。だから皆色んな水着を穿いていた。そんな中で一際目立つ水着を着ていたのが茂だった。白地に派手な蛍光色混じった競泳用水着で、茂が通うスウィミングスクール指定のものらしい。当時競泳用水着を着けるヤツは少数派で、茂の水着を見て競泳用を買うヤツが続出した。それでもデザインの派手さでは茂の水着がダントツ1位。でも1位なのは水着の派手さだけじゃなかった。更衣室で着替える際に、
「すげー!」
っていう奇声が上がり声の方向を見ると、茂の周りで騒いでいるヤツが数人。よく見ると水着を脱いでスッポンポンの状態の茂の周囲に人が集まっているのが判った。近寄ってみた僕も思わず声を上げそうになった。若干小学校5年生にして茂の股間にははっきりと判る黒いちん毛が生えていたのだ。周囲のヤツが騒いでいたのは茂のちん毛に対してだったみたいだけど、僕がビックリしたのはちん毛の下のちんぽに対してだった。凄いでかかった。ちょっと黒ずんでいて、皮が剥け始めた成長期真っ盛りの様子で亀頭の割れ目が見えている。でもそれ以上にとにかくでかい。あの当時で平常時推定11〜12センチ程度。しかもやたらと太い。小学生にして大人サイズの巨根がダランとぶら下がっている光景は未だに眼に焼き付いている。騒がれている本人は騒ぐ周囲を意に介する様子もなく平然とタオルでちんぽを拭きパンツを穿いた。 その日の帰り道のこと。その日は茂と2人で帰ったんだけど、話題が水泳の授業のことになって、
「茂のちんこ凄かった」
と言ってみたところ、
「そう?」
と少し恥ずかしそうに笑った。
「いつ頃から生えたの?」
「去年くらいからかなー。でもちん毛生えてるのって俺だけなんかな?」
って少し不安そうな顔をした。いつも堂々としていて滅多に不安になったりすることが無いヤツだから、このときの顔は珍しかった。
「判らんけど…」とだけ答えておいた。