お待たせしました!続編です。
今まで急展開があると言いながらなかなか進まなかったと思います。
が!この回!ターニングポイントです。
続き・・・
銭湯を後にした俺達は、引っ越しの祝杯をあげるべく、コンビニで飲み会セットを買う事にした。
霧斗「今日は俺のおごりな^^b」
俺「いやいや半分出すって。」
霧斗「まあまあまあまあ^^ 手伝ってくれた礼だよ。」
俺「マジで良いの?」
霧斗「任しときぃ。」
そういうと霧斗はチューハイを8本、ポテチにサラミに柿の種をかごに投げ入れた。
やっぱり・・・優しい・・・。
コンビニを後にし、エアコンを効かせた霧斗の新たな城へ。
二人「おつかれ〜!!^0^」
汗を流して、風呂を楽しんだ後はチューハイが格段にウマい。
疲れてるせいもあり、俺も霧斗も2本目を終える頃にはかなり酔いが回っていた。
霧斗「ゆうってホントに良いやつだな〜^^」
俺「何だよぉいきなり〜*^^*」
霧斗「だって今日メチャ助かったからよぉ〜 ホントありがとなぁ〜」
ほろ酔いよりかは酔いが回ってたけど、2人ともまだ意識ははっきりしてたと思う。少なくても俺はね。
エアコンの効いてる快適な部屋で、くだらない会話に花を咲かしていたんだ。
俺「もう一本とってくんね〜」
霧斗「おお〜気が利くぅ^^」
俺が冷蔵庫に向かおうとして、立ちあがったその時、あろうことかよろけちゃったんだ。
俺「おおおおおっとおおお〜!」
霧斗「あぶね!!」
咄嗟に霧斗がよろける俺を支えようと立ち上がる。でもそのまま2人で支えあったままベッドに勢いよく倒れ込んだ。
霧斗「ダイジョブか?」
俺の下敷きになりながらも、霧斗は俺を心配してくれた。
だけどそんな事より、俺は今のこの状況がすごくドキドキしてたんだ。
まるで・・・俺が押し倒した様な格好・・・。
頭を起こすと、優しく微笑む霧斗と目が合う。
すごく近い。
霧斗「ゆう・・・?」
きいちゃん・・・俺・・・もう・・・我慢できないよ・・・。
こんなに近くで見つめ合ってる・・・もう・・・俺・・・。
自分の気持ちにウソはつけない・・・!
俺は、霧斗にキスをした。
ベッドに沈む霧斗の上から覆い被さって、霧斗の柔らかい唇に自分の唇を重ねた。
もう・・・後戻りなんて出来ない。
もう・・・感情を押し殺せない。
もう・・・きいちゃんを愛さないなんて出来ない。
俺は唇を離さなかった。
霧斗は、状況が全然飲み込めてないのか、一切動かない。
きいちゃん・・・俺・・・お前が好きだ!好きで好きでしょうがねえんだ!
長い長いキスの後、唇を離して霧斗を見る。
その眼はあっけにとられてて・・・何も言葉を発さない・・・。
俺「きいちゃん・・・俺・・・俺・・・。」
霧斗「今・・・キス・・・したのか・・・?」
シーンとする部屋の中で、心臓の鼓動と、互いの体温しか感じ取れない。
霧斗「ゆう・・・何で・・・キス・・・したんだ?」
俺「・・・。」
あの言葉がなかなか言えない・・・。でも今言わなきゃ・・・二度とチャンスなんて来ない・・・。
今・・・言わなきゃ・・・今・・・!
俺・・・勇気出せ・・・!
俺「きいちゃん・・・俺お前が好きなんだ!!」
霧斗「え・・・?!」
俺「2年半ずっと好きだったんだ!」
霧斗「・・・嘘・・・だろ・・・?」
俺「マジでお前がずっと好きだったんだ!」
霧斗は完全に呆然としてた。まさか俺が告白するなんて夢にも思わなかったはずだ。
俺も一世一代の賭けだった。
初めて霧斗のチンコを舐めた時も、初めて霧斗の唇を感じた時も、霧斗は一切気づいてなかった。
でも今は2人とも分かってる。この状況を分かってる。俺が唇を重ねたって事を、俺も霧斗も分かってる。
そして、俺が霧斗を愛してるって事も、分かってるんだ。
霧斗「ゆう・・・俺・・・男・・・」
俺「分かってる。俺もお前も男だって分かってるよ。でも俺はお前がどうしても好きなんだ。」
霧斗「んな・・・俺お前の事・・・親友だって思ってるんだぞ・・・。」
俺「・・・。」
霧斗「お前も・・・俺の事親友だって・・・」
俺「親友だよ。最高の親友だよ・・・でもそれ以上に俺・・・!」
これ以上・・・何も言えない・・・。
俺はそのまま、もう一度唇を重ねた。
霧斗も何が何だか分からずに混乱してるみたいだったけど、すぐに俺の唇を離した。
霧斗「やめろって・・・!俺全然分かんねえよ・・・!」
俺「・・・。」
混乱の余り目が泳ぎまくってる。突然の予想外な状況だ。無理もない。
霧斗は俺の体を起こして、自らも身を起こした。
気まずい空気が漂う部屋。倒れた拍子で倒れたチューハイ缶。そして、無言のままベッドに座る2人の男。
何にも聞こえない。エアコンだけが寂しく風を噴き出してる。
霧斗「・・・ゆう・・・悪いけど・・・今日はもう一人にしてくんねえか・・・。」
霧斗の口から出た、辛いセリフ。俺はその言葉に従うしかなかった。
正直な俺の気持ちを伝えてしまった以上、もう・・・今は・・・何も言えずに・・・。
俺「ゴメン・・・。」
それだけ言い残して、バッグを鷲掴みした。玄関を開けようとした時だった。
霧斗「ゆう。」
霧斗が俺を呼びとめた。振り向かずに動きを止める俺。
霧斗「今日は・・・ありがとな・・・。」
霧斗なりの、精一杯の言葉だったと思う。混乱で頭がかき回されてる霧斗の・・・せめてもの優しさ。
俺はそれを背中で聞き、何も返事出来ないまま、逃げる様に、駆け足で霧斗の家を後にした。
一切後ろを振り向かずに・・・何も考えずに・・・ただ・・・逃げる様に・・・。
俺は自分の家に駆け込んだ。
玄関のドアをピシャリと閉めた途端、俺の中で何かが崩れた。
同時に、俺は玄関先で泣き崩れた。
安堵の涙では無い。悲しい涙と、後悔の涙が入り混じってた。
俺は激しく泣いた。隣近所にも聞こえるくらいの泣き声。
きいちゃん・・・きいちゃん・・・俺・・・もう・・・お前と・・・会えない・・・のか・・・?
何で・・・愛してしまった相手が・・・お前なんだ・・・?
もう・・・俺・・・後戻り・・・出来ない・・・。
俺はその晩・・・涙が全身から枯れるまで・・・ただただ泣き続ける事しか出来なかった・・・。
続きます。