新しく生まれてくる子供はきっと店長にそっくりなんだろうな・・・
幸せになってほしい
そう願っていた
こうなることはわかっていたのに・・・
男と男が愛しあえることって本当に出来るのかな?
ずっとつながっていることって無理のかな?
僕はずっとそのことを考えていた
電話番号も,めるあども知らない
電話したら会いたくなるし,メールしたら話したくなる
もっと僕を抱きしめて欲しかったし,もっといっぱい愛し合いたかった
でも
相手は既婚者の人・・・
だから僕が諦めるしかない
あの人にとってはただの遊びだったんだから・・・
店長が東北に行った次の日に,僕のバイト先のロッカーには手紙が入っていた
ケンジへ
たぶんこの手紙読むときには俺は東北行ってると思います。
思い出すのはケンジが入ったときのこと。。
俺が面接したとき,凄く純粋そうな人だなっていう印象でした。入ってから絶対こいつすぐに辞めるだろうなって思ったけど,意外に根性あるしグングンと成長して行ってとても頼りなりました。
そして俺の中ではケンジは特別な存在になりました。
ケンジの家に泊まったりしてたけど,妻を捨ててケンジとずっと,住みたいと考えたこともありました。それぐらいキミのこと好きだったよ。
でも子供が出来てから,やっぱりこのままいても俺たちは幸せになれないから・・・
どこかでケジメつけないともっとケンジが俺のこと好きになるし,俺もケンジのこともっと好きになるから・・・だから・・
いつかケンジも好きな人作って幸せになってください。さらに成長するように頑張れ
じゃあな!
そんな店長らしい終わり方だった
僕は涙が止まらなかった
店長の本当の気持ちとか,今までの思い出が走馬灯のようによみがえってきた
面接してもらったときのこと
クレームだして怒られたけどちゃんと後でフォローしてくれたこと
僕はずっと店長のことが好きだろう
忘れられない
でも忘れないといけない
なんて切ないんだろう・・・
つらいんだろう・・・
ダメだ・・・
前に進まなきゃ・・・
僕はあたらしく前に進むことにした
end