後藤に抱きつかれた。
俺の心臓は走った後みたいにバクバクしてて、自分でも真っ赤になっているのが分かるくらい顔が火照っていた。
なんでこんな激しく反応してるんだ。
バレる。落ち着け。
「お前…可愛いな」
「…」
後藤が真顔で言った。
後藤の声は結構低い。
しかもやたら大きくて、ブロック長がみんなテレテレマイクで演説するときも、後藤だけ声張って言ったりしてた。
それがかっこよかったんだけど。
その声で可愛いって言われた。
「…いきなりやけんビックリしたんて」
「それにしても顔赤くなりすぎやろ?(笑)」
そういって後藤は俺のほっぺたを触ってきた。
ちょっとビクッてしてしまう。
もう俺が後藤を、男を好きなのも勘づかれてるかもしれない。
泣きたくなった。
「そんなに俺が好きかあ?(笑)」
「いやちげーし!爆」
「ならこうしても大丈夫だろ」
後藤はまたおれを引き寄せ抱きしめた。
俺の顔は後藤の胸に埋まる。
「うわあー」
おれはジタバタした。
やばい。これはやばい。
もうギンギンになっていた。
多分先走りも出てる。
てかなんでこんなことすんの?
「…お前なんしよん!意味分からんっちゃけど!」
「えー、俺結構相川のこと好きやけどなあ(笑)」
後藤はそういって俺の首筋にチュッと音を立ててキスした。
「はぁっ」
思いっきり声出してしまった。
俺は自分で言うのもなんだがやたら感じやすい(笑)
そういうとき滅茶苦茶女みたいになってしまう。
それが恥ずかしいんだけど…。
「はあ!?お前やばくね!?感度良すぎやろw」
「もうやめろ〜…」
俺は若干半泣きになっていた。
取り返しがつかない。
この状況でこの反応は誰が見ても分かる。
絶対バレた。
すると後藤はまた真顔になって、
「やけん、俺結構ってかまじでお前のこと好きなんやけど」
「…はあ?」
「男やけん駄目すか?」
全く意味が分からん。と思った。
後藤が?
男を好きなだけじゃなくて俺のことを?
「…だって今まで喋ったりしてなかったやん」
「でもよう目合いよったやん」
「それはみんなかと…てか嫌われとると思いよったのに」
「最初はなんこいつとか思いよったけどなー、なんかな(笑)」
後藤は抱きしめる腕を強めた。
まさか…いつも妄想してたことが現実になるなんて。