昔から好きになるのは男ばっかり、女の子と付き合ってみてもSEXしてみても、精子と卵子が結合した時点で決定しているこの運命には逆らうことなど到底無理なのだ。
「彼女がさ…」
「この前の合コンでさ…」
「優希、彼女できた?」
内容は多少違えど小学校、中学校、高校と繰り返されてきたこの会話は大学生2回生になった今も周囲で繰り広げられている。きっとこれからも止むことはないだろう。男女の恋愛ストーリーはどの世代にも受ける絶対的なヒット商品なのだから。
俺は某地方都市で大学2回生をしてる優希といいます。
つい最近実際にあったアツシとの体験を書きます。
苦しい大学受験をようやく終えた俺は4月1日、大学に入学することができた。
その頃には掲示板を覚え、数人のゲイの人と付き合ったこともあった。ノンケとのラブストーリーというゲイ神話はその頃には完全に消滅していた。
日々のサークル、飲み会、バイト、授業、遊びをこなし大学生活を充実されながら、こっそり掲示板で知り合った人と恋愛や火遊びをする。
それだけで満足すればいいのが、だけどなんということだろう、大学にはきらびやかなノンケが溢れ返っている。
その中でも同じ学部アツシは抜きん出ていた。爽やかで背も高く、愛嬌のある二重の目、すっきりと通った鼻筋、スタイルも良く、口角の上がった唇の薄い口。
こんなにもカッコイイ人間を俺は見たことがなかった。
ジュノンに出たら間違いなくグランプリが取れそうな気がする。
俺はゲイ神話を少し信じてみることにした。