今まで通ってた学校を辞めて、通信制単位制の学校に入った。
スクーリングも楽しいし、先生方も明るい人たちばかりだ。
そんな中、遠足をすることになった。
約70人が集まった。
ほとんど知らない人ばかりだ。
集合場所で一人で立っていると、先生に「この子もゲーム好きだからいろいろ話してみたら?」と言って、男子を紹介してくれた。
「ど…ども」
小さくお辞儀する男子。
マスクをしていて、身長は俺の胸くらい。
ちなみに俺は約180。
だから160くらいかな。
髪は天然パーマで少し赤め。
長さは、横は耳に掛かってるけど、前は眉毛くらい。
襟足は首の中ほどだ。
「よろしく」
「じゃあ、この子のコトよろしくね」
先生が去っていく。
「えと…」
「あ、俺、淳也」
「た、タケトです」
「よろしくな。タケトは高1?」
「あの、高3です。17歳で3月に18になります」
「マジ?タメじゃん」
「そうなんですか?年上だと思ってました」
「俺だって、下だと思ったし。てか敬語じゃなくていいよ」
「わかった」
バスは俺が窓際。
通路側にタケト。
「タケトはどんなゲームすんの?」
「んと…三國無双とか…いろいろ」
「そうなんだ。俺、戦国無双ならやったことあるよ」
「戦国はやったことないなぁ」
そんな会話をしていた。
「タケトって兄弟いんの?」
「姉がいる」
「じゃあ4人家族か」
「3人。父親いない」
「あ…そうなんだ」
俺んチが7人家族で大変だと言うのを話そうと話題を振ったのが失敗だった。
「気にしないで」
笑うタケト。
「強がんじゃねぇよバカ」
頭をくしゃくしゃに撫でてやる。
柔らかい髪だ。
「なんか…お兄ちゃんみたい」
「弟いるからかな」
「お兄ちゃん…」
「なんだ?」
「恥ずかしいなぁ」
「なんだそれ」
マスクで口元は見えないが心から笑ってるのはわかった。
遠足では陶芸と山寺に行く。
まずは陶芸。
隣にタケトが座る。
俺は皿を作る。
タケトと逆隣の奴は「ヤスダさん」なる不気味で奇怪なモアイ風の置物を作っていた。
タケトは茶碗らしき物を作っていた。
作った物を預ける。
約1ヶ月後に学校のほうに届くそうだ。
続く。