いつも僕は先生のこと見てた
いつか先生のものになりたくて
でも
もう
僕のこと
忘れてるかな・・・
山と海が見える全校生徒300名ほどの中学校
僕はいたって一般的な中坊でこの春から二年生になった
二年生になっても身長150センチからなかなか抜け出せない
このままチビのままでいっか。なんて考えてる今日この頃
またイヤな日が来た
そう二年もなっても付き添ってくる体育
僕は体育が一番嫌いな科目だった
ずっと体育が嫌いで水泳はもっと嫌いだ
もそもそと体操着に着替えて校庭へ出る
春といっても風が強くて寒い
半そでに短い水色の短パンからはスースーと風が入る
校庭には見慣れない先生が立っていた
誰?
黒のプーマのジャージがよく似合う短髪の先生
そう・・・
忘れもしない
僕の大好きな人だ
「中山ダイキです。よろしく」
とてもさわやかな先生
僕は先生にときめいてしまった
でもそんなことお構いなしに先生は校庭5周といきなりハードなことを言ってきた
僕がとろとろと走ってると
「はい!!そこ!!遅い!!」
厳しい!この人!!
僕はゼーハー言いながらも何とか完走
「名前は!?」
「柿本イオリです」
「柿本か。柿本みんなに置いてかれてるじゃないか。もっとシャキっとしろ」
「はい」
いきなり怒られたし。この先生嫌い!
そして団体行動
「右向け右、左向け左、回れ右」
この団体行動も僕だけついていけなかった(笑)
「また柿本か。」
先生は僕の名前ばっかり呼ぶ。
最初はカッコイイと思ったけど、マジ面倒な先生だ!!そう思った
最悪なことは続いた
放課後の清掃委員会で、草抜きをさせられる
面倒だなぁって思いながらも僕は、一生懸命草を抜いていた
するとプールの方で歓声が聞こえた
「すごーい!」
僕はこの声に反応してプールを見た
するとプールの中を、華麗に泳ぐ人を見た
すげぇ・・・
まるで水泳選手がやるようなバタフライ
僕が見とれているとその人がプールから上がった
中山先生だった
「先生カッコイイ!!」
女子生徒から歓声が上がる
プールから出た先生は凄くカッコイイ
水も滴るいい男って先生のことを言うんだ
筋肉のついた体
焼けた肌
どれをとってもパーフェクト
僕は少し見とれてしまった
そのときちょうど先生と目があう
「あれ?柿本君だっけ?」
「はい」
「何してんの?」
「草抜きを、委員会ので」
「そうなんだ。頑張れ〜」
ニコっと笑って先生は戻った
カッコイイ・・・
僕は完全に先生に心を奪われた