10分くらいずっと僕たちは舌をからめていた
唇を離すと、糸をひいた
ちょっとエロイ
ずっと見つめあった
俺のそばにずっといてください
そう言ってくれた
言葉じゃなくてもちゃんと僕には届いた
すごく幸せだった
それから山を下山した。
ずっと宗太の手を離すことなく
もつれあうようにアパートに帰り僕たちは裸になり抱き合った
ベッドの中で愛し合った
何をするわけでもなくただ、宗太に強く抱きしめられた
いっぱいキスをした
こんなにも愛しく想った人はいない
今死んでもいいってぐらいに幸せなんだ
目を覚ますと横で宗太は寝ていた
別にセックスをするわけでもないのに凄く満たされた気持ちになった
ただ抱き合ってキスをするだけで
僕が見つめていると宗太は起きた
おはよう
おはよう
それから二人で出勤した
電車の中で宗太は僕の首すじを触ってきた
窓にうつった自分の姿を見るとキスマークがついてた
なんでここに?
ユウトの体にいっぱいつけといたよ
エッチ
「まもなく○○駅に到着いたします。ご乗車ありがとうございました」
このアナウンスが流れると別れのとき
頑張ってね
うん
僕は彼をいつものように見送る
宗太は相変わらず手話を人前で使おうとしない
やっぱり恥ずかしいのかな?
なんで?
宗太にとって 言葉なのに
疑問も残るまま僕は学校へ行った
休憩中、キャンパス内を歩いていると手話を使っている人を見かけた
女の子が会話してる
なんとなくだけど何を言ってるかわかった
あの子は堂々と人前でやっているのに宗太は何でやらないのかな?
今日は僕の家で、二人でご飯を食べていると、たまたまチャンネルがバラエティになっていて、好きな芸人が出ていて面白くて笑っていた
「宗太、この人ら面白いでしょ?」
あ・・・
そっか宗太は聞こえないのか。
それでも宗太は、字幕とかを見て理解はしようとしているのだろうけど、なかなか声ではないとお笑い番組は見ずらいのだろう
だから僕は手話ニュースに変えた
なんで変えるん?
だって宗太はつまらないだろうし
そんなことないよ
僕も手話の勉強したいし
あのさ・・・
何?
宗太は少し考え深い顔をして僕に言ってきた
人前で手話使わないほうがいいよ
どうして?
ユウトまで耳の聞こえない奴って思われるから
え・・・。そんなこと関係ないよ。手話で話そうが言葉で話そうがその人の個性だと思うけど
それはユウトが健常者だからだろ
はぁ!?
宗太はいきなりそんなことを言い出した
俺は耳が聞こえないからって陰口も叩かれたし,友達だっていないし!!ユウトは友達もいっぱいいて,幸せだからそんなこといえるんだ
手話が速すぎてよくわからなかったけど・・・凄く表情が険しい
宗太は立ち上がり茶碗を片付けだした
なんでこんな話になったんだろ・・・
まだ付き合って少ししか経ってないのにもう喧嘩・・・
僕は思わず泣いてしまった
なんか宗太のこと何もわかってなかったし,自分が恵まれてるから耳が聞こえない宗太と付き合ったみたいな考え方されてることにも悲しかった