感想ありがとうございます。
こんな感傷的な想い出話が受け入れてもらえるかどうか心配でしたが、
お誉めいただいてすごくうれしいです。
Eのことについて、少し補足してから続きを書きます。
Eは僕の2歳年下の後輩で、当時18歳だった。
顔はくっきり二重の童顔で溝端順平とか、小池徹平みたいな感じかな。
身長は168cmぐらいで、特にスポーツとかやっていたわけではないが、時々自宅で腹筋したりしているらしく、そこそこ筋肉がついていてスリ筋だ。
性格はちょっとおバカだが、明るくて、元気で、やんちゃな感じ。
でも実は家庭の問題とか、昔、体が弱かったとか、いろいろなトラウマを背負っているのだが、それでも…というか、それを自分で振り切ろうとするように、いつも明るく元気に振舞っていた。
Eと初めて抱き合った日からしばらくは、二人ともなんだか気恥かしくて、二人の関係は少しだけぎこちなくなってしまったようにも思えた。
しかし、いつの間にかそんなことは忘れて、僕たちは何事もなかったかのように普段通り生活していた。
サークルが終わると飯を食いに行って、みんなで夜中まで遊んで、疲れたらうちでダラダラして…。
偶然にもあれ以降、なかなか二人きりになる機会はなかった。
1週間後のある日、Eと女友達と数人で映画を見に行った。
僕の車で女友達を家まで送り届けたあと、偶然、車内で二人きりになっていることに気付いた。
「今日、おもしろかったですね」
Eが急に後部座席から身を乗り出してきて、運転している僕のすぐ耳元でそう言った。
意識しているわけではないのだろうが、その時のEの声は普段よりも低い落ち着いた声で、ささやくようなしゃべり方だった。
僕は感じてしまい、思わずビクッと身震いをしてしまった。
「ぅあッ…!!
急に耳元でしゃべるなよ…びっくりした〜」
僕はバックミラーでEの顔を見た。
普段はワックスで髪を軽く立たせヤンチャな感じだが、今日は前髪を下ろしていてる。
前髪を下ろしたEはいつもよりも幼く、いつもよりも可愛いらしく見えた。
Eは運転席と助手席の間に身を乗り出すようにして、無邪気に笑っていた。
「ふふw すいません」
Eはさらに身を乗り出して、今度はわざと僕の耳元でささやいてきた。
Eの吐息が耳を撫で、甘いささやきが胸に刺さった。
Eはからかっているつもりだろうが、僕にとってそれはとても強烈な攻撃だった。
僕は思わず「ぁうっ!」と言って、身をよじってしまった。
Eはそれを見て、おかしそうに笑いながら言った。
「あははw
先輩って、ほんとくすぐりに弱いんですね〜w
そういう反応されると…」
Eはぐっと身を乗り出し、また僕の耳元でささやいた。
「もっとからかいたくなる」
直接胸に響いてくるような低くて甘い声だった。
僕は久々にEと二人でうちに向かっていた。