後処理を終えたあと、僕らはパンツ一丁の姿でグッタリとベッドの上に寝転んでいた。
僕はEに腕枕をし、Eの柔らかな髪をもてあそんでいた。
Eは上目づかいに僕を見上げながら、こうたずねてきた。
「先輩って、ホモなんですか??」
僕は戸惑った。
正直に答えるべきか否か。
そして少しの沈黙の後、「う〜〜〜ん……どうなんだろ??」などと曖昧な答えを返した。
僕はもう確信していた。
僕はEが好きだ。
今まで生きてきた中で1番。
今まで付き合った女性には申し訳ないけど、彼女たちとは比べ物にならないほど、Eのことを愛おしく感じていた。
その時、僕には付き合っていた彼女もいたが、彼女にもこれほどの愛おしさを感じたことはなかった。
…やっぱ僕はゲイなんだ。
今まで自分で自分をごまかしてきたけど、やっぱり僕はゲイなんだ。
これはもう変えようがないことなんだ。
僕は内心、そう確信していた。
「Eはどう??」
僕は沈黙に耐えられず、Eにたずね返した。
するとEは少し間を開けてこう答えた。
「僕は……ないな」
その言葉は僕の脳を突き抜けた。
「僕はやっぱ女が好きだな。
先輩とこういうことするのは、すごくキモチいですけどね」
Eは続けた。
「それに…先輩、最初に言ってましたよね。
『まぁ遊びみたいなもんだよ』って。
その感じは何となく理解できました。
ハマっちゃったらヤバそうだけど…アハw」
Eは無邪気に笑った。
…そりゃそうだ。
僕は少しだけ真剣にEとの未来を思い描いていた自分を嘲笑った。
Eと僕はサークルの先輩と後輩…。
僕は後輩であるEのことがすごく好きになった。
でも同性愛者がそんな運命的に結ばれることなんて、あるわけないよな。
ドラマじゃないんだから。
Eは僕の下手な演技を真に受けて、ただの『遊び』として肉体関係を結んだ。
ただそれだけなんだ。
僕は沈黙のままムクリとベットから起き上がり、タバコに火をつけ、大きく一息吸い込んだ。
僕はそのままEに覆いかぶさると、彼に顔を近づけ、赤くふくよかな唇に向かって、ゆっくりとタバコの煙を吐き出した。
Eは僕の口から出た煙をゆっくりと吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
その煙はまた僕の体内へと吸い込まれ、僕は煙を吐き出しながら天井を見上げてこう答えた。
「オレもまぁ……そんな感じかな」
夜はすでに明けかかっていたが、僕たちはそのままグッタリと眠った。
※とりあえずはこれで第1部『完』って感じかな。
また反響があれば続き書きます。