俺は吹奏楽部でよく外でフルートの練習して吹いてました。
そこはちょうど野球部のランニングコースの近くで、たまにS君が横を走って通り
過ぎてきます。あ、狙ってそこで吹いてたわけじゃないよ(笑)
たまにちょっかい出してあったりして、S君が来るのがいつも楽しみでした。
走る時はいつもアンダーシャツ1枚で、S君の発達した(照)胸筋とか腹筋がはっき
り浮き出てて本当にかっこいいんです。
たまに変な矯正ベルトみたいなタスキみたいなのを体に巻きつけてて、それがなん
かエロさを強調してました。星ヒュウマ?みたいな感じのやつです(笑)
俺もわざと胸筋こちょぐったりして、そのエロさを享受していました。
合宿から数日で、おれとS君はめっちゃ仲良くなりました。
それは恋愛感情とは少し違って、変な感じでした。
思春期には誰でも同性の体が気になる時期ってあるんあですよね??
たぶんそのジャストな時期でもあったんだと思います。笑
外見だけじゃなくてS君の魅力はきっと心の中だったんだと今になって思います。
いつしかS君は俺にとってなくてはならない存在になっていました。
実は自分には精神的な持病があって、たまにかなり不安定になったりしてました。
授業中に苦しくなって気づかれないように泣きだしたり、ベランダで発狂してしまったり。
安定剤を飲む時もありました。
心配してくれる友達、冷たい目で見てくる人もいましたが、そんな時もS君は俺をかなり気にかけたりしてくれて、いつのまにか自分もS君を頼ってしまってました。
「辛い時は俺に言えよ。授業中辛くなったら俺にアイコンタクトして。そしたらお前ひとりで悩んでなくて俺もお前のこと想っとるから。」
S君には自分のすべてを話せたし、逆に俺もS君のすべてを受け入れたつもりでした。
お互いの家庭環境も将来に対する不安も、同じような境遇の中で必死に頑張りぬきました。
それは、お互いの存在があったから。
今思えば彼の存在が自分の生きる希望になってたんだと思います。いや、冗談抜きに。
いつしか制服も衣替えし、青葉のきらきらした、そんな季節になっていました。
〜つづきます〜