僕はザーメンまみれの徹平の顔をティッシュで拭いた。
「こんな最高のH、初めて。徹平君とやれるなんて思わなかったよ」。
「俺もムネリンみたいな子とできてうれしかった。アッという間にいっちゃった」。
「徹平は大学生? よく来るの?」
「うん。今度二年。ハッテン場はここしか来ないよ。でもやらないで帰ることも多いんだ」。
「そっか。1つ下だね。モテすぎるのも大変だよね」。
「まあね。体はガッチリで、カッコカワイイー感じの顔が好きだから、ムネリンは本当に最高だよ」。
僕は徹平をギュッと抱きしめた。また可愛いチンコがムクムクと起き上がろうとしていた。ボクサーフェチの僕としては、またあのショッキングピンクのボクサー姿が見たくなった。
「ねえ、ボクサーはいてよ。自分、パンツフェチだから」。
「うん、いいよ」。
あれっ。僕らは部屋の隅々を探した。「ない!」。ベッドの脇にも、布団の中にも見当たらなかった。「ウソー」。徹平が絶望的な声を上げた。間違いなかった。のぞき穴から、誰かに盗まれたんだ。僕のボクサーは枕元に置いたからセーフだった。徹平のカウパー液がべっとりとついたカラフルなボクサー。だぶん犯人はもう店を出ただろう。「オキニだったのに…。許せなーい」。悔しがる徹平。でも僕的には口をとがらせる徹平の顔に結構萌えた。
「僕が新しいボクサー、買ってあげるよ。バイト代入ったばかりだし」。
「ムネリン優しいね。でも俺、ムネリンのボクサーが欲しいな」。
僕は黒のボクサーを徹平に履かせた。ちょっと大きいけど徹平は喜んだ。自分はタオルを腰に巻いて、2人でロッカールームに降りた。ギャラリーからのジェラシー光線はかなり弱まっていた。
去年の秋の出来事。あの日を忘れることはないだろう。
学校への道。今日も徹平と僕のボクサーが並んで干してある。(おわり)