たきさんいっつもコメントありがとございます☆
東は辛くても頑張ります!特に最終話が、、あっなんでもありません(笑)
では続きどうぞ☆
長いよ笑
尚人は自分がイッタ後は放置なので、俺は自分で処理するしかない。
いつもの事なので、これまで、特に気に留めた事はない。
もっと言うと俺はこれまで三、四人と体を重なったが、最初に付き合ったあの日以来、俺を最後まで大事にしてくれた奴はいない。 でも今日のは明らかに悪意がある。
俺はバスルームから出るとベッドの上の尚人と目が合った。
切れそうになる。
本当に暴れようか考えたがとりあえず、帰ってもらう事を優先したかった。
俺「もう用済んだでしょ?帰ってもらえる。んで、もう二度と来ないで」
そう言うと、こっちに視線を向け、立ち上がった。
そして、俺の前で立ち止まった。
俺は言ってから、しまった、と後悔した。
畏怖した。
だけど、次の瞬間、、
俺は抱きつかれていた。
尚人「もう会わないとか言うなや」
俺「!?何言っちゃってんの?今、俺に何したかわかってんの?」
尚人の体が小刻みに震えていた。
まさか、、
まさか??
俺「泣いてるの?」
尚人「、、」
このプライドの高い、自分以外なんとも思ってない男が、人前、しかも俺の前で泣いている。
俺の事なんて、ペットかゴミくらいにしか思ってないはずなのに。
いつもキモい、うざい、つまらないと罵倒しているこの俺にすがってきてる。
泣きたいのはこっちなんだけど、、
けど、、尚人の涙があまりに悲しくて、俺は今は、俺でよければ抱き締めてあげたかった。
初めて俺は、尚人が自分より年下なんだと意識した。
知ってる。
俺を馬鹿にしたり、悪口言ったりするのは、人が信用できないからなんだよね。
尚人なりの距離の取り方。順位をつけるのは、相手に主導権を取られたら、逆らえなくなる、っていう恐さからなんでしょ?
自分でもよく分からなかった。
さっきまであんな酷い事をされたのに、今はこの溶けいりそうな、切なく小さくまとまった尚人を突き放せない心境を。
俺でよければ、なお踏みにじられても構わないという、感情がどこからくるのかを。
きっと、俺は全然尚人を吹っ切ってない。
まだまだ、 好きだという気持ちが残ってる。
尚人「俺、人の愛し方なんて知らない。わかんねぇ」切なそうに呻いた。
そっか、、
両親が事故でなくなり、金目的の親戚に預けられ、高校ではいじめられ、いじめる。
尚人の友達から聞いた、そんな荒んだ背景が脳裏に浮かんだ。
俺も母が夭逝だったから、尚人とは他人の様には思えなかった。
尚人を見ているとなんか、無性に切なくなる。
昔懐かしい所に戻るような錯覚に陥る。
もう二度とは戻れないそんな場所。
尚人「俺は、モノだから。今も昔もずっと。だけど、伸之だけは俺の事を、」
俺と似たにおいがする。そんなにおいに惹きつけられたんだと思う。
尚人「大事にするようにする、だから、、」
俺はそれに答える代わりにギュッと抱きしめた。
そして、掛けてある上着のボケットに手を入れた。
俺「はい、俺の家の鍵。いつ来てもいいから」
尚人の長く整えられた前髪から一筋の泪が流れ落ちるのを確認した。
今考えれば、幸せだったと思う。
俺が家に帰れば、大好きな尚人が待っていた。
顔を見ればドキドキした。悪口なんて一言も言わず、いっぱいやさしくしてくれた。
尚人の心底笑った顔も初めてみた。
俺は仕事から帰るのが楽しみで、待ち遠しかった。
尚人は親戚の家にまだ住んでたから、一緒に住む事も話し合った。
尚人と夜一緒にいると携帯が鳴る事がある。
仕事の電話だ。
尚人が淋しそうな顔で、いってくるね、と言うとマジ泣きそうになった。
仕事でも、他の誰かに抱かれてる事を考えるのは、絶対、いやだ。
でも笑顔で、「がんばってきてね」というと、気を使って、
「おう、頑張ってくるわ」
という。
そんな健気さに、ますます泣きそうになる。
俺は辛さと格闘してると2時間後、戻ってきてくれて、ただいまといいながら、おもいっきり、抱きしめてくれた。
やさしい時間。
そんな日々の合間に谷や愛斗からメールがきた。
谷はきちんとした丁寧な文体で、近々遊びたいという事。
愛斗はこの前、俺が要らぬお節介をした事のお叱りのメールだった。
ソファーで、絡みついている尚人が、メールの相手を聞いてきたので、この前の合コンの話をすると、ヤキモチを妬いたのか、濃厚なキスをしてきた。
俺は舌を入れて返してやった。
こんな幸せがずっと続けばいいな、、
だが、そんな日常は、
暗暗裏に幕を閉じようとしていた。