寝ないで頑張りました笑っ
北海道には梅雨がない。正確に言うなら、梅雨前線にはかかるが、期間が短い為、梅雨と呼ばないし、意識もない。
ただ、6月は天候がぐずつく事も多い。
そんなだから、休日はどこも行かず、家で過ごす事が多くなる。
改めて考えてみると、今の自分には友達がいない事に気付く。
大学の友達はこっちにいないし、高校のは逆に東京に行ってしまっている。
会社の同僚とかはご飯か飲みくらいで、休みの日まで遊ぶ間柄ではない。
元々、ゲイの友達なんかそんないなかったし、准紀達とはもう、、
俺はみんなどうやって、ゲイの友達を作るのか、疑問だった。
ゲイバーとかナイトの存在は知っていたけど、一人で行けるものなのか?
怖くないのか?
もちろん、前までは掲示板で友達や彼氏を募集していた。
だけど、いざ会うと、待ち合わせして、ご飯食べて、その後、どっちかの家に行く事になって、やってしまう。
俺も断ればいいんだけど優しくされたり、真剣に付き合いたいなんて言われると、そうなのかなって。
万事そんな調子だから、友達なんて作りようがない。 というのは全部言い訳。分かってる。
社会人になってから、ちゃんとした友達を作って来なかった自分に責任がある。 でも、学生の時と比べて社会人は友達が作りづらいと感じた。
平日は仕事に集中する事ができた。
だから、休日の予定がない時は何をしていいのかが分からない。
趣味のフットサルは平日の夜だし、服とか休みの度に見に行く訳じゃない。
読書とか映画とか、それこそゲームとかやってても何だか本当に楽しめない自分がいる。
前までは一人でいる事にそんなに深くまで感じる事はなかったのに。
より孤独を感じるようになった。
鬱の影響もあるだろう。 改めて、准紀とか愛斗とかに会いたいと思う。
だけど、もう、どうしようもない。
札幌は6月から7月は一年の中でも、1番楽しい季節だ。
6月初旬にはよさこいが始まり、プロ野球観戦、北海道神宮祭、大通公園のビアガーデン、花火大会。
でも実際、自分どれも行った事がない。
行ってみたいんだけど、、
俺はこんなイベントを尻目に仕事に励んだ。
仕事をしている時だけが、孤独を忘れられる。
だけど最近、時間があるせいか、いろいろ考えてしまうのだ。
自分の一生が見えたような気がして、無性に寂しくなる。
同じ事の繰り返し。
仕事して家に帰って、また仕事行って、、、
結婚する事はないし、このまま、ずっと一人でいるのか、、
それに、仕事だって。
安定してるけど、こんなにまとまってしまっていいのか?
未知のものに挑戦しようという牙、気概はなくなってしまったのか?
一生、自分の人生を賭する仕事なのか?
答えはでないけど、そんなうやむやな気持ちが胸の中で、渦を巻いていた。
そして、あれは6月も終わりを迎える頃。
いつもの様に俺は代理店の窓口で接客をしていた。
ピーンポーン。
自動ドアが開く。
俺「いらっしゃいませ。こんにちわ」
俺は入口に目を移す。
あっ、、
そこには、市ノ瀬愛斗が立っていた。