「ゆうた先生って、彼女いないの?
「おらんよ」
「こんなにカッコカワイイのに?」
「よう言われるけど、別に欲しいと思わへんな。それより宏之、もう時間やろ。早く席につきなさい」。
授業の時は標準語だけど、それ以外の時は関西弁なんだ。大阪育ちだから。先生は結構真面目だ。教師だから当たり前か。最初の授業は戦争の話だった。僕たちとそんなに変わらない年の子たちが、国のために命を散らしたこと。「自分たちがその時代に生きていたら、どうする? なんでそうしなきゃいけなかったと思う?」先生の問いかけには、かなり考えさせられた。すごくためになりそう。ますますゆうた先生が好きになった。スーパージャニ系で頭いいし、授業も面白い。もっともっと仲良くなりたかった。気に入られるようにいい子でいたいけど、性格的にできそうもない。ついイタズラで気を引こうとしちゃうんだ。
放課後、僕は友達の卓也を誘って、ゆうた先生がトイレに入る瞬間を狙って社会科教員室の外で待ち伏せした。「来たっ」。作戦はズボン下げ。卓也はただのイタズラだと思っているけど、僕は先生がどんなパンツをはいているのか知りたかった。小便器の前で、卓也が声をかける。僕がベルトを引っ張ってズボンを下ろす。超慌てるゆうた先生(笑)。その時、両手の指はテロンとした生地に触れた。これってナイロン? 競パンじゃん! 卓也はそれには気づかず、手を叩いて笑っている。「コラ! お前ら!」。僕らは一目散に逃げた。「大成功」。僕らはハイタッチして喜んだ。でも僕の手には黒い競パンの感触が残っていた。ゆうた先生って、変わった下着の趣味があるんだ。思わず知った先生の秘密。超エロい競パン姿を想像すると、その夜は宿題どころじゃなかった。