ゆうた先生のペニスが急速にしぼんでいくのが分かった。射精したからだけではなかった。SMコスプレを生徒に見られていたなんて知ったら、誰だってビビるよ。相変わらず縛られたままの競パン姿。チビは僕に見られているとも知らず、ゆうた先生に話かけている。「ゆうた、気持ちよかった? 今度はまた1カ月先かな」。ゆうた先生は答えなかった。危険な情事を知ってしまった生徒に対してどう対処したらいいのか考えているに違いなかった。僕はまだ今まで目にした光景が夢なのか現実なのか信じられないまま、屋根裏で固まっていた。のこのこ出ていく訳にもいかないし、2人がいなくなるのを待つしかなかった。
「先輩、最高やったよ。もう遅いし、出ましょうか」。
「そうだな。飯でも行くか?」
「すんません。ちょっと小テストの問題、今日中に作らないといけないんで」。
「そうか。じゃあシャワー浴びて帰るか」。
チビはゆうた先生の縄をほどき、愛おしそうに首筋にキスをした。そしてほどなく2人は階段を下りていった。ゆうた先生の背中は、間違いなく僕を意識していた。
僕は身を潜めていた屋根裏からようやく出ることができた。さっきまでゆうた先生がもだえていた簡易ベッドのにおいをかいだ。ほのかに先生が好きな柑橘系の香りが残っている。
小一時間経過しただろうか。ベッドでまどろんでいると、ガチャッと1階入口のドアが開く音が聞こえた。予想通りだった。ゆうた先生が弁解するために戻ってきたんだ。「宏之、いるかー?」。口封じするのだろうか。代償に体の関係を求めるのだろうか。僕はじっと先生が階段を上る音に耳をすませた。