あの事があって以来、俺達は頻繁に遊ぶようになった。
俺も2〜3日に1回は新札幌に行くし、誰かかれか、こっちに来ていたから、ほぼ毎日と言っていいくらい遊んでいた。
それと、愛斗の件だけども、今だに答を出せずにいた。
きっと多分、愛斗と付き合えば、絶対必ず、俺を大切にしてくれる気がする。
この前、初めて二人で遊んだけど、楽しいし、会話に詰まる事もなかった。
だけども二の足を踏む。理由は、なぜ愛斗が俺の事を好きになったのかが、さっぱりと分からない事。
俺のどこがよかったのか?いつから、俺の事を好きだったのだろう。
愛斗と会ったのなんか、僅か数えるくらいしかない。 もし外見(そとみ)だけで好きになったとしたら、付き合う訳にはいかない。
そんなガキみたいな恋愛はもうウンザリだし。
もう一つはやっぱり准紀の事だ。
愛斗には同じくらい好きと言った。
多分、あの時点ではあの言葉に偽りはない。
だけど、准に会うと胸が苦しくなる。締め付けられる。キュンとする。
その感情は、すでにフィフティ・フィフティではなく准紀に7:3くらいまで傾いている。
そして、俺は准に振られたから、愛斗と付き合うなんて卑怯な真似は絶対にしたくなかった。
そんな事を考えると、答が出せなくなった。
だけど、このままずるずると、と言うわけにもいかない。
結論を出さなくては。
俺、准、みち、谷はイオン(ジャスコ)にいた。
准「はい。おれ上がりね」
谷「私も」
みち「パス」
俺「ん、、パス」
みち「のぶ、これ出せないでしょ」
俺「12の3枚出しって、、パス」
みち「8切りね」
俺「えっ、、うん」
みち「はい、終わり」
俺「うそーーまた大貧民?」みち「はい、じゃあ点切って」
俺「ずっと俺ばっかじゃんよ」
准「しゃあないしょ笑っ
それにしても、のぶ、ホント弱っちぃね笑」
俺「俺、これでも高校の時はマジ強かったんだから」谷「なんで、いいカードばっかり残しているの?」
俺「最初に浪費したくないから」
みち「使わなかったら意味ないじゃん笑私たち毎日やってるから相当強いよ?」確かにこいつらかなり強い
おっかなり手札がいいな。今度は勝てそう。
准「じゃあハートの3は?」みち「アタシ」
普通、大貧民から始めるのにローカルルールだ。
それに大貧民は、どひんみんとは言わないらしい。
准「8切りでしょ。で、9の革命ね」
マジか??うそっしょ??ここのルールでは、出した瞬間に革命になるので、11が4枚あるけど出せない。
准「えっと、これと階段で」しかも階段ルールあるし。、、、
、、、
准「はい、おしまい」
みち「私も」
谷「のぶ出せる?」
俺「、、パス」
谷「私からね。上がり」
俺「マジかぁまた負けた」
准「ホントに弱いね」
俺「もう違うのやろうよ」
みち「はいはい」
大富豪から、神経衰弱へ。てか、よく考えると、神経衰弱ってすごいネーミングだ。
准「で、のぶって、一ノ瀬から、告白されたんでしょ?」
カードに集中し、目線も合わせず発した言葉に、俺は思わず吹き出しそうになった。
みち「何なに?のぶ告られたの?うそ?愛斗に?モテモテだね」
谷「そうなんだ、よかったね」
いつの間にかトランプはそっちのけで。
なんだか、からかわれてる気がする。
俺「なんで、准くん知ってるの?」
准「愛斗から聞いた。
伸之に告白したって、真顔で言ってきて」
俺「そうなんだ。他になんか言ってた?」
准「あ、、いや別に」
言葉に詰まる准。
なんかあったのか?
准「でも、伸之に告るなぁって、分かってたけどね」俺「なんで?」
准「一ノ瀬がのぶ好きだっていうの、態度見ればバレバレじゃん」
そうだったの?
谷「分からなかったの?」
俺「う、うん。てかさいつから好意もってくれてたんだろう」
准「あぁ結構、前からだと思うよ」
やっぱり、これといって思い当たる節がない。
結構前、、合コンの日か?
みち「で、どうするの?」
俺「どうするって、、俺も今考えていて、愛斗には待ってもらってる」
谷「愛斗じゃダメなの?」
俺「ダメじゃない。
ダメじゃないけど、じゃあ付き合おう、っていう感じにはならないんだ。
俺も今まで一人しか付き合った事なくて、まして告白されたのなんて、ホントずっとなくて、自分でもどうしていいか分からないんだよね」
みち「ああ゛もうじれったい、男でしょ」
俺「、、うん」
谷「みち。みんながみんなみちみたいじゃないから。ゆっくり考えるといいよ」俺「う、うん。ありがとう」
ジャスコから出ると周辺はかなり暗くなっていて照明が点灯している。
谷「まだ6時なのにこんな暗いよ。日も短くなっていくね」
みち「どんどんどんどん寒くなっていく。やだやだ」准「そう?俺、結構、秋冬好きだけど?」
みち「准だけだから」
みんなで笑った。
帰り道で、みんなで変顔のムービーを撮って、見て爆笑したりして、楽しかった。
時間を見つけては、遊んでだべって、とにかく一緒にいた。
なんて事ない、ささいな事も芸能ネタもなんでも話して、いっぱい笑った。
あんな事もあったけど、ようやくホントの親友と呼べる関係になったと思う。俺の大好きなラストフレンズ。