ある夜勤の日、暗くなった廊下で先輩に見つから無いようにソファーに突っ伏していた。
足音が聞こえて来て慌てて飛び起きると、佐伯先生だった。
眠たさがピークに達していたこともあり、
「なんだ、研修医か…
あ、いえ、、お疲れ様です!佐伯先生!」
「どうせ研修医さ笑。ばっちり聞こえたよ笑」
「ごめんなさい! … どうされました?」
「医局に戻ろうとしたら、ソファーに突っ伏しる人が見えたから。俺もちょっとやすんでこ。」
そう言って俺の横にどかっと腰を下ろした。
俺はやらかした〜絶対嫌われた〜とか思いながら、それから10分くらい話した。
いろいろ話してくれた。医局のこととか。
ちょっとだけ打ち解けられたような気がした。
でも、変な期待するのはやめよう。近いようで遠いい存在なんだと自分に言い聞かせていた。
そして佐伯先生は
「また愚痴聞いてよ笑。飯島さんも頑張って」
そう言って戻っていった。
それから何日かたったある日、残業で遅くなり玄関を出ると土砂降りだった。傘を持って無かった俺は仕方なくタクシーを呼ぼうとしていた。
「飯島さん…」
後ろから声をかけられ、振り向くと佐伯先生だった。
「お疲れ様です。先生も帰りですか?」
「そうだよ。歩き?」
「はい。傘無いんでタクシー呼びます。先生も乗って行きますか?」
「俺車あるから、乗って行きなよ」
「マジすか?助かります!」
「ここで待ってて」
ニコッと笑って車に走っていった。研修医とは言ってもいい車乗ってるんだろなーと思ってると、ジムニーだった。マジで親近感がわいた。
「先生、ジムニー似合って無いですよ笑。」
「なんだよそれ〜笑 何乗ってそうに見える?」
「外車とか乗ってそうなイメージですね〜」
「確かにボンボンに見られること多いけどさ〜笑 貧乏学生やってたんだよ。ところで腹減らない?」
「減りますね〜うまい焼肉屋知ってますよ!」
「よし!決まりだ!笑」
マジテンション上がった。まさか佐伯先生と飯食いに行けるとは。
「ホントに美味しいね!」
「ここら辺だったら詳しいですよ。下っ端だし男少ないんで飲み会の幹事やること多いんで笑」
てな感じで楽しかった。佐伯先生は医局であんまり馴染めないこと(派閥とか?)とか、将来のこと、大学のこととかいろいろ話してくれた。
そして彼女はいないらしい。期待したらダメだとわかっていても気になる。
「飯島さんは?」
「俺こそいないすよ〜仕事一筋です!泣 てか、なんで、彼女作らないんすか?どういうのがタイプですか?」
「いや〜特にないよ〜」
とか言って、顔赤くして動揺してたのがかわいかった。
店から出て車の中
「今度、休み重なったら飲みに行こうか?」
「もちろん!」
てな感じでその日は終わった。
その夜、俺はベッドの中で一人悶えた笑