トイザらスを出て、ケンタで食べる事に。
一階のイートインなんだけど、、
准「おっきいね」
俺「でしょ?」
ホール中央に、巨大なクリスマスツリーが毎年飾られる、といってもクリスマスに来た事がない。
というか、クリスマスに誰かと過ごしたなんて記憶がない。
よくよく考えると、クリスマスに男二人で、会社の同僚に見られたらどうするんだなんてあるけど、この時の俺は、好きな人と一緒に過ごせる時間に没頭してしまっていて。
すっげぇ幸せだなって感じていた。
その後、DVDを借りに行って。俺ん家に行く事になった。
帰る頃には9時を越えていて、少し肌寒くなっていた俺「准くん、雪が降ってきたよ」
准「本当だ」
ヒラヒラ舞う雪は手の平に乗るとジュワっと溶けて。電灯に照らされた粉雪はキラキラ輝いていて、ゆっくりと流れゆく。
とても綺麗だ。
こっちじゃ、ホワイトクリスマスなんて、全然珍しくもないんだけど、俺は降ってくれた雪に感謝した。
俺「メリークリスマス」
准はくすくすと笑った。
俺「あれ?おかしかった?」准「いや。そんな事ないよメリークリスマス、伸之」、、、俺は伸之とフルネームで呼ばれた事に陶然としてしまった。
ドクンドク心臓が震える。俺「今、伸之って言った?」准「えっ?言ったかな。それがどうしたの?」
俺「もう一回、もう一回言って」
准「変なの笑。のぶゆき、、これでいい?」
「、、うん」
俺、嬉しくて死にそうなんだけど。
俺「なまら、寒くなってきたね。手凍りそう」
准「今日冷えるって言ってたからね。
伸之。手貸してごらん」
俺「ん?」
俺は右を差し出した。
准「これで寒くないでしょ?」
准のポケットに俺の手が入る。
中では、准の手で俺の手が握られていて。
右手だけ体温がどんどんどんどん昇がっていく。
俺は恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
そんな准は、いつも以上の笑顔でニコニコしていて。俺は恥ずかしくて、ずっと下を向いていた。
だけど、ホントは嬉しくて幸せで。
前から人がやってきても、准は気にもしないそぶりでそんな准の所作がカッコ良く思えた。
家に着くと、借りてきたDVDをデッキに入れた。
『ホームアローン』
クリスマスが来ると見たくなる映画。
笑えるし、暖かくなれるし何よりクリスマスのアメリカの映像がキレイだ。
俺達はお酒を飲みながらお菓子を食べながら観た。とにかく笑ったし、ハラハラしたし、でもやっぱり、ママに再開するシーンが1番感動する。
やっぱ何回観ても、、泣いてしまう。
てか、隣にも泣いてる人が一人。
てか俺達って泣き上戸??
お互い涙を流した事は触れずに、話題を変え、
俺「俺、准くんに渡すものあるんだ」
准「俺も」
俺「はい」
准「ありがとう。俺も。
何なに?開けていい」
俺「もちろん」
俺も准から貰った包装を開けた。
准「これって、iPodじゃん高かったんじゃない?」
俺の記憶が正しければ、4Mが出たばっかりだったと思う。
俺「そんなんでも。ネックだ。しかもディーゼル。
てか、さっき見てたやつじゃない」
准「伸之、欲しそうだったから」
俺「うそーまじで?
ありがとう、マジ大切にするから」
准「俺も大切にするね」
准くん、ありがとう。
准「あーもう12時過ぎてるんだ。どうしようかな?」俺「地下鉄もうないよね」
准「迎えに来てもらえるんだけど」
俺「うちでよければ、泊まりなよ」
准「んじゃあ、よろしくね」俺「うん」
准がうちに泊まる、、
考えただけで、嬉しくて叫びたくなった。
俺と准は、毎年やってるさんまと高島彩アナのクリスマスの番組を見た。
ソファーで並んで見てたら准くんが、俺の手の上に手を重ねてきて、、
俺はテレビを真っ直ぐ見てるんだけど、心臓がバクバク張り裂けそうなほど、脈を打っていて。
俺は親指で、准の手の平や手の又、親指をなぜる。すごいスベスベで触り心地がいい。准も触り返してきて。愛おしくなって。
そして、がっちり握り合った。
俺はやっぱり、手の平とかをなぞっていく。
准の指の動きが止まったので、俺は准の方に視線を向ける。
すると、准は俺の方をただ、じっと見ていた。
いつもと変わらぬ笑顔なのに、今日の准はスッゴい可愛くて、カッコ良くて。
ニコって笑うから。
俺は右手は准の右手を握ったまま、左で抱きしめた。 匂いが甘くて柔らかくてくんくんとかいでしまいたくなる。
准の体の感触は相変わらず完璧で、細いのに筋肉を感じてしまう。
どのくらい抱きあっただろう。
ゆっくり離れてみる。
すごく照れて紅くなっている准。
目線をやや下に向け、中々視線を合わそうとしない。そんな、准がめちゃ可愛くて。
しかも、近くで見てもこんなにカワイイなんて。
俺は、もう我慢できそうにない。
俺「准くん?」
呼びかけてようやく、視線が合う。
見つめあった。
俺の方が恥ずかしいし、心臓だって張り裂けそうだ。だけど、そんな事よりこんなにカッコイイ准がいる。
俺は目で訴えた。
(いくよ、いい?)
准が、やさしく頷いてくれたので、俺は、、、、
唇を重ねた、、