そしてカラオケで再開。准「谷、のぶごめんね」
谷「ちょっと、待たせすぎだから。何時間も待たせて准「ごめんなさい」
谷「謝ればいいって言う、問題じゃないしょ?」
准は谷に弱い様だ。
こんな光景は初めてじゃない。
みち「谷、ごめんって。中に入ろ」
たぁ「のぶくん?」
俺「はぃ、たぁさんですか」たぁ「初めまして」
俺「初めまして」
こんなおじさんだったのか俺は正直苦手な感じがした准「俺の昔の彼氏」
たぁ「よくいう。すぐ別れたくせに」
准「まぁね」
、、、准の元彼???
カラオケに入るといつもの様に盛り上がった。
たぁさんは歌わなかったけど、違和感なく溶け込んでいた。
そして、5、、4、3、2、1おめでとう!
ハッピーニューイヤー!!V6のHappygreetingを歌った。
こんな年越しも悪くない。准は俺の隣で、
「来年も宜しくね」
俺は来年もいい年になる期待感で一杯だった。
カラオケが終わると、プリクラを撮って、1月1日の日付を入れた。
こんな楽しいちょっと変わった年越しはないだろう。だから、本当に大事だし貴重な思い出で。
プリクラを見る度に微笑ましくなる。
一生の思い出。
店を出ると、雪が降っていて、寒々しかった。
たぁさんの車の駐車場まで歩く事になった。
熱気が篭っている間はいいが、歩いていると体に冷気が纏わり付く。
みちが特に寒そうにしていた。
谷「みち具合悪いの?」
みち「ちょっと寒いかも」
丁度その時、前から2〜3人が、こっちに向かって歩いてきた。
准「いっち、まどか、久しぶりじゃん」
二人「准。びっくりした何してるの」
准「ごめん、すぐ終わるから、ちょっと待ってて」
と言って、少し離れた先で話始めた。
寒い。
俺達はその場でしゃがんだり、手摺りによしかかったりして、ただ待っていた。10分、15分。
たぁさんが、車で待機しようかと提案した所で准が戻って来た。
准「お待たせ。じゃあ帰ろうか」
本人は本当に悪気がなかったのだろう。
たまたま、ごめんがなかった。
だけど、みんな、特に俺と谷は正直、准の態度にイラッときた。
雰囲気が悪くなった。
やっぱりそんな空気をすぐに察して、
准「何この空気。俺なんかした?」
この一言で、谷がキレた。谷「准、何かしたって。私達、外で何分も待たされたんだよ」
准「何分もって、5分くらいじゃん。悪かったと思うけど、そんなにキレる事でもないと思うけど」
谷「5分?准。20分なんだけどね。待ってたの。
この寒い時期に何もせずにじっと待たされて風邪引いたらどうするの?」
准「俺だって外にいたけど」谷「准。勝手過ぎる。今日だって、6時待ち合わせなのにパチンコって、私達の事なんだと思ってるの」
准「パチンコの事は謝ったしょや。じゃあどうすればいいのさ」
俺は、、谷と准をケンカさせたくなかった。
だから、
俺「准、なんでちゃんと皆の事考えてくれないの?
いつもは皆の事考えて、気を使って行動してくれてるのに」
准「いつも、俺ばっかり幹事とかまとめ役とかさせられて、みんながやってくれないからじゃん」
この時に気付いた。
准、結構酔ってる。
俺もそれに気付いたから、踏み止まれば良かったんだけど、
俺「最悪。そんな事考えてんだ。
てかさ、みち寒くて具合悪くて、ずっと我慢してたんだよ。みちの事考えろよ」准「、、お前の、、みちの事何が分かるって、言うんだよ」
そっからは取っ組み合いで、准を初めて殴った。
皆は俺ら二人を抑えるので必死だった。
たぁ「准、お前が悪かったんだから。キチンと謝れって」
准「俺だけ悪いの?」
そう言って、明後日の方向に走り出した。
酔ってるのに速いっていう俺は横腹が痛くなって、攣りそうだった。
集合住宅みたいな場所に辿り着くと、壁の所でよしかかって、泣いていた。
俺はあの時、ああするしかなかった。
准と谷って、友達なんだけど微妙な隙間があって。
仲いいような、距離をとっているような。
だから、ケンカしたらシコリが残る様な気がして、俺が代わりにした。
でも、二人でいる今なら、絶対問題なく元に戻れるっていう確信があった。
俺は准に背後から近づく。すると、
「来ないで」と言われた。
俺は気にせずに距離を詰める。
准「うそつき」
俺「、、??」
准「ケンカしたら、折れてくれるって言った」
、、、
俺は思い出した。
愛斗の件で、准と光一とケンカした時。
准が公園に現れた時。
准「俺、キレたら絶対途中で止まれないんだよね。
だから、、」
俺「分かった。俺、ケンカにならないように上手くやってみるね」
、、、
俺は忘れていた。
だけど、これは仕方なかった事で。
でも、言葉を失ってしまった。
准がまた、どこかに移動しようとする。
俺「准くん。ごめん俺が行くから。ここにいてくれる?」
准はパーカーだけで、余りにも寒そうだったので、俺のダッフルコートを准にかけた。
俺「准くん、ごめんね。
またね」
俺は、笑顔で後にした。
みち達に准の居場所を教えた。
そして、俺がいると准が気まずいから、という事を説明すると、たぁさんが俺を家まで送ってくれる事になった。
帰り途で、准との出会いの事とか話して、最初よりも少し打ち解た気がした。
次の日に准からメールがあった。
謝りたいという事とお詫びをしたいという事。
実際会ってみると、准は酔っていて、昨日?今朝の事は、全く覚えていないと言っていた。
一安心した。
帰りに軽くキスをして、お互いまたわだかまりなく、日常に戻っていった。
毎日の様に遊んだ。
この頃は光一も毎日のように准の家にいた。
光一と准は兄弟のようで、仲いいな、と思ったけど、毎日来てる自分も相当だなと思った。
そして、准の誕生日。
俺、光一、准はお互いの誕生日に祝い合うという約束になっていた。
本当は准と二人きりになりたかったんだけど、仕方ない。
でも、告白はしようと決めていた。
長かった気がする。
ここまでくるのにいろいろあった。
正直愛斗も好きだったし、あのコンサートの時にもう一回告白されてれば、、
でも、今は准が本当に好きで、めちゃくちゃ大事で付き合って欲しい。
俺は准の好きなチョコレートケーキを買って、プレゼントを持って、准の家に向かう。
そして、告白した。
、、、
、、、
、、、フラれた。