そして男子らしい意味ない会話は続き、
「ね、このテニスボールお前の顔面に投げて良い?」
「なんで?」
「いや、なんとなくだよ笑 お前かっこつけてる割に度胸なさそうだからさ。」
今考えたらなんでこんな展開になったのか謎。
だけど、強さを示すのが好きな男子ならではのやりとりかな。今考えれば。
「別に良いよ。どうせ人の顔に投げる度胸ないだろうから。」
「マジで?ほんとに投げるよ?顔面当たったらお前後ろに落ちるよ?」
「全然良いけど?早く投げろよ。」
「じゃ投げるわ。」
おれは内心かなりびびっていたけども、辞めて下さいとも言えない。
無視するほど大人でもなかったおれは、しょうじの意味不明な挑発にのってしまう。
「じゃ、投げるかんな。」と、大きく肘を後ろに回し、腕を上げる。
野球部志望というだけあり、さまになっている。
おれはさすがに怖くなり、座っていた塀から飛び降りる。
が、しょうじの投げたボールが顔面に直撃。
「・・・ッてぇ・・・!」
「な!?お前なんで飛び降りんだよ!」
「・・・お前こそちゃんと顔面投げろよ。」
「ほんとに投げるわけないだろ!」
「しらねぇよ。いってぇ・・・」
「!・・・」
「・・・!」
おれはとりあえず痛みに耐えるので精一杯だった。
「ごめんな。」
「え?」
「まさか飛び降りるとは思わなかった。」
「・・・もう良いよ別に。」
「そっか・・・。」
「おれ帰るわ。」
そういっておれはかばんを勢いよく持って先へ帰った。
しょうじのことなど、一刻も早く忘れたかった。
ていうか名前知らなかったしその時。
でもまぁ、謝ったし、悪い奴ではないんだろうな、と思いながら。