夏休みに入り部活の練習漬けとなる。直樹はバレー部だから主に体育館、俺はサッカー部だからグラウンド、殆ど顔を合わせることもなく練習のきつさに直樹との情事の感覚も薄れていった。
8月に入り珍しくバレー部が外のコートで練習をしている。砂ぼこりの向こうにいる直樹に自然とフォーカスが合う。…そういや直樹のバレーする姿って初めて見るなぁ〜。どうやら直樹はセッターらしい。背が高くないからかな(笑)
おっといけね〜ボッとしてたら先輩に怒られる。練習。練習っと。
きっと直樹は俺のことなんて気にしてないだろうな〜なんて思いながらもいつもより練習に身が入る。
陽が落ちかけた頃、ハードな練習が今日も終わった。手洗い場に行って手足や顔を洗っていると「お疲れさん」と直樹が横にやってきた。バレー部も練習が終わったらしい。
俺「バレー部が外で練習なんて珍しいね」
直樹「今日から3日間は吹奏楽部がコンクールの最終調整で体育館を使うんだって」
俺「じゃああと2日は外で練習か…そういや直樹ってセッターなの?」
直樹「そう。背がないからね。でもセッターも難しいけど楽しいよ。モンキーはMF?」
俺「そう。今のところ…って見てた?!」
直樹「お互いさまだね(笑)」
俺「そだね(笑)」
直樹「家の方向違うけど一緒に帰ろうっか?」
俺「うん。いいよ。」
直樹「……あっ忘れ物したから一緒に付き合って」と校舎の中へ入って行った。