それからずっと仕事中でも全く会話がないまま1週間が過ぎた。
先輩「とーまちゃん最近健ちゃんと話してないじゃん!」
この人はバイト先の先輩、「川上 美佐子」。俺の良き理解者。俺がゲイだってことも知ってる。
俺「ミサちゃん…。この前健ちゃんにコクられた…。」
美「マジで!?よかったじゃん!まさか両想いだったとはね♪」
俺「それはうれしいんだけど、ボーリングの後、俺んちで飲んだ時にコクられて、俺も健ちゃんもそのまま寝ちゃったらしく、起きたら健ちゃん記憶なくなってて…。
そんで…俺が事情話したら『帰ります』って俺が止める間もなく帰ってっちゃって…。
酔ったノリで言ったのかな?って思っちゃって怖くてそこから何も話できなくなって…。」
美「はぁ?マジで?私がさりげなく聞いてみようか?」
俺「いいよ!あれが嘘だったらミサちゃんにも悪いし…。」
俺ってどこまで臆病なんだろ…。ミサちゃん気を遣ってくれてるみたいだけど…。
それが俺にとってはつらいんだよ…。
そんな時に限ってこんな事が起きるんだよな…。
店長「とーまちゃん、市川くんにこれ教えてくれる?」
どうしてここのスタッフはみんな俺の事を「ちゃん」付けするんだろうか…。まぁいいけど…。
っていうか、俺が健ちゃんをトレーニング!?マジかよ…。
うれしい反面、いやでもあった。ここ1週間まともに話もしてないし…。
店長「資料、渡しとくからよろしくね♪」
俺「は…はい。」
そうして俺は健ちゃんにトレーニングをすることになった。