健「あ…あのさ…話っていうのはね…。」
唐突に健ちゃんが話しかけてきた。
健「この前の話なんすけど…。俺が何を言ったのか全然覚えてなくて…。帰った後も思い出そうと必死に考えたんすけど、なかなか思い出せなくて…。起きた時、阿部さんが『お前が俺の事好きって言った』って言われた瞬間めっちゃびっくりしてそのまま帰っちゃったんす…。でも…阿部さん好きって気持ちは本当っすよ…。」
ヤバい…健ちゃんに好きって言われるとめっちゃうれしい…。
健「阿部さんの気持ちがわからなくて、次の日の仕事の時も阿部さん俺に話しかけてきてくれないから、嫌われたんだって思われて…。トレーニングの時、ミサちゃんが阿部さん呼んでるって言われた時、めちゃ嬉しくて…。やっと仕事の事だけど話できるんだって…。
だからめちゃくちゃ嬉しくて…。
阿部さん、俺、おかしいかもしれないけど、阿部さんの事好きなんす!だから、阿部さんの気持ち知りたいんす!」
また沈黙。波の音だけがこだまして、俺はようやく口を開いた。
俺「俺は…、この前酒飲んだ時の事ちゃんと覚えてるし、その時俺の気持ちもちゃんと言った。けど、覚えてないならもう一度言ってあげる。」
健ちゃんはじっと俺を見つめる。なんかめっちゃ恥ずかしくて思うように言えない…
俺「俺は…健ちゃんの事、好きだ。」
健ちゃんは驚いたような顔をして俺を見つめる。この前と同じか…。
健「阿部さん…。」
俺「俺だってめっちゃびっくりしたんだよ?健ちゃんが俺に好きだって言ってくれた後、ため口でもいいって言ったし、俺の事ちゃんと名前で呼んでって言ったのに、起きたら『阿部さん』に変わってたし(笑)あの言葉全部ウソなのかな?って不安になってさ…。」
健「ごめんね…不安にさせちゃって…」
そういうと健ちゃんは俺に抱き着いてきた。
健「もうあべ…冬馬を不安になんかさせない!俺が守って幸せにする!!」
俺「その言葉…前にも聞いた(笑)っか年下に守られるってどぉよ(笑)」
健「いいじゃん!冬馬可愛いし♪」
俺「可愛くないし!」
健「でもほかの女よりも可愛いよ?絶対話さない!!!」
そして、暗くなった海を目の前に俺らはキスをした…。
ここからまたスタートだ。
健「ねぇ…今から冬馬んち行こう!この前のお詫びもかねて☆」
俺「まだ俺の部屋汚いよ?」
健「それはお互い様だよ!俺の部屋よか全然いいよ♪」
全然いいって、どんだけだよ(笑)