あの日からコウスケは俺をよく触るようになった。
毎日一緒に帰るようになって、そのときに俺の頬とか、髪とか、背筋とか(笑)ちょくちょく触ってくる。
俺はコウスケほど大胆にそんなことはできなかった。
「この土日俺、部活休みらしい」
駅の改札を出た帰り道でコウスケが言った。
「ほぅ、よかったな。たまには体休めろよ」
「じゃなくて、ジュンキどうせ暇だろ?なぁ?」
そう言ってコウスケは俺の肩に腕を回して、頬を触ってきた。
「どうせとか言うなよ。俺と遊んでほしいんだろ?あ、人見てるから」
俺は頬を触る手をどけて言った。
コウスケの大胆さにはたまにあきれる。俺は人目を気にしてしまう。
「ええやろ。頬触っとるだけやないか。照れすぎやぞ、ジュンキ。で、そうそう、土曜もやし、日曜も遊べるってわけ!何やる?(笑)」
「照れるとかの問題じゃないから。お前顔エロくなってるぞ(笑)俺はずっと寝ときたい」
「おし!決定やな!一緒に寝て遊ぶか(笑)」
「だまれ〜(笑)なんでそっちにもっていくかな。とにかく外は寒いから出たくない」
「かわいくねぇぞ!ジュンキ!俺に対しても遠慮がちだったころのお前に戻ってくれ(笑)山本くんって言ってみ?(笑)」
コウスケのからみはたまにめんどくさい(笑)
「山本くん、じゃあ君は何がしたい?」
コウスケは顔をニヤつかせて言った。
「俺ん家に来たまえ。吉田君。俺以外におらんから。みんな俺を置いて親戚の結婚式に行くんやと。つまり、俺ら2人で朝までワイワイやろうや!」
俺はまだコウスケの家に行ったことがなかった。というか、コウスケは部活で忙しいからまともに遊んだこともなかった。
コウスケの家かぁ。もしかして泊まりってことか?
「へぇ、山本くんの家かぁ。まだ行ったことないし、ええよ」
「ほんまか!?泊まりやけど、大丈夫なんか?」
コウスケは嬉しそうだ。
「おう!泊まりっていっても近所だし、いざとなったら帰るから」
「なんやいざって?全部俺に任しときゃええぞ。寝る時もな(笑)」
「勝手に言っとけ〜(笑)まぁ丁重にもてなしてくれ、山本くん」
「おう!もちろん!じゃあまた今日8時な!ランニング。あ、あとやっぱコウスケって呼んでくれ(笑)」
コウスケは嬉しそうにそう言うと、4階に自分の家のあるマンションに入っていった。
俺にとっても楽しみだ。
俺はいろいろ期待しながら帰宅した。