僕が中二の時の体験を書きます。
10月の始めに行われる体育祭の実行委員に選ばれた僕は、9月中、毎週一回開かれる実行委員会の会議に出なくてはなりませんでした。
3年生の実行委員たちは皆、運動部に所属している(10月の大会を境に引退する)人たちで、身体も声も大きいので始めは何となく怖かったのですが、
途中からその中のリーダーのような感じだったF先輩がとても親切にしてくれるようになりました。
そして、それを見ていた他の先輩も僕に一目置くようになりました。ちなみにF先輩は日焼けしたイケメンで、一度、実行委員会が終わって帰る時、待ち伏せていた女子からラブレターを貰っていたのを見た事が有りました。
予行演習を一日がかりでやった日の放課後、僕はF先輩に呼び出されてジャージ姿のまま体育倉庫の準備室に行きました。
そこにはジャージ姿のF先輩が一人でとても真剣な顔をして立っていたので、明日の本番が心配なのかな?と思い、「今までとても親切にしてくれて有り難うございました。明日はいよいよ本番ですから、頑張りましょう」と言うと、先輩は何も言わずに僕をきつく抱き締めて来ました。
僕の鼻は先輩の胸元に押し付けられてしまいましたが、そこは、微かにボディースプレーの香りがしましたが、でもやっぱりとてもムンムンと男臭かったです。
僕は男の人が好きなわけでは無いのに、何故だかちょっと頭がクラッとしてしまいました。
ふーふーと鼻息を荒くして僕の髪の匂いを嗅ぐ先輩に、「何ですか?止めてください!」と言いながら身体を離そうとしましたが、逆にもっときつく抱き締められてキスされました。これが僕の初めてのキスです。
唇を離した先輩は「お前は可愛くて良い匂いがする」と言いましたが、朝から丸一日駆け回っていた僕の身体は自分でも気付くほど汗臭かったので、「そんなの、嘘です」と反論しました。
何も言わずに力任せに僕の身体の匂いを嗅ごうとしてくる先輩に、僕は「嫌です!止めてください!」と言いながら力一杯抵抗しました。
先輩は、「ごめん、悪かった」と言って僕の身体を離してくれて、「でも、どうしてもお前が好きだ」と悲しそうな顔で言いました。
女の子への告白だって、そんなのまだした事もされた事もないのに、同性の先輩から「好きだ」と告白されたので僕は本当にビックリしました。
それに、先輩はこの間、女子から手紙を貰っていたはずなのに、あれはどうしちゃったのか僕には分からなかったので、「F先輩くらいカッコよければ女子にもてるでしょ?」と聴いたら、「女は、俺と付き合ってることを他の女に自慢したいだけなんだよ」と寂しそうに言いました。
僕は先輩がとても可愛そうになり、実行委員会ではとても親切にしてくれたし、先輩が所属している部は大会で良い成績を納めて校長先生から表彰されていたので、僕は「僕は男の人が好きなわけじゃないですけど、先輩は尊敬します」と真剣に答えました。
そしたら、先輩はさっきよりももっと真剣な顔で「俺を好きになってくれ」と迫ってきたので、先輩の胸の匂いが何となく気になっていることもあって、
思わず「分かりました」と答えてしまい、焦って「あくまでも男の中で好きなのは先輩“だけ”ですから」と「だけ」を強調したら、先輩は笑って抱き締めて来ました。