でさ、オレがパスタ食ってると、カイト様は対面に座って「どう?うまい?」ってうざいほど聞いてくる。ウマいよ?笑
あー、なんかカイト様に会うの2回目なんだけどね、2回目って感じがしなかった。どっちかというと、昔からの友達?に会う感じ。
オレはパスタ食いながら、カイトと色々喋った。やっぱカイトと喋るのは楽しい。
どんな話の流れからだったか忘れたけど、オレが考えてることを正直にぶつけたのね。まあ、カイトはゲイでオレはノンケ。ノーマルのことをノンケって言うらしいよね。オレとしては、カイトさんを恋愛対象として好きなのかが分からない。それが兄弟的ラブなのかも知れない。
カイトは「恭平がゲイだったらよかったのに、バイでもいいんだけどな」と言っていた。バイ?バイセクシャルか。バイって確か男も女も好きになれる人だよね。でさ、オレはノンケで、他の男には全く興味ないし、触れ合うとかあり得ない。でもさ、カイトには惹かれるし、キスだって何の違和感もなかった。抱き合っても多分違和感ない、これってバイなの?って思った。限定的バイという言い方あるのかな? 1人の特定の同性に対してのみ好意を抱くこと。
オレがそのこと話すと、カイトはめちゃ嬉しそうだった。
でね、カイトが「抱き合ってもいいの?」ってニタニタして、オレの隣に来て抱きついてきた。で、「恭ちゃん、好きだよ~」って。でさ、「オレにパスタ食べさせて~」アーンて口開けて甘えてくるんよね。何コイツ
で、アーンしてあげたら、めちゃテンション高くなってさ、さっき買ってきたお酒も開けて飲み始めちゃったんよ。えっ?お前帰るって言ってなかった?
そしたらさ、カイト「今日ここ泊まっていっていい?」って聞いてくるんよね。オレが「いいけど、どこで寝るの?」って聞くと、「恭ちゃんと一緒に寝る~」って。オレがダメ、って言ったら、「あー、またそういうこと言う」ってオレにほっぺ抓ってきた。何この人、オンナより面倒くさい、笑
でさ、そのまま、引きっぱなしの布団の上に2人で寝転んで、一緒にゲームしたのね。で11時過ぎて、2人ともゲームに飽きちゃったのね。でさ、カイトがオレに抱きついてきたのよ。だからオレも手を回して抱き合ってたんですよ。オレ達2人ともパンツしか穿いてないのね。だからさ汗がベタベタくっつくの。それにさ、カイトの股間が足に当たってて、だんだん硬くなってきてるのね。。でさ、オレが「ちょっと、汗つく!オレさっきシャワー浴びたとこなのにさー」って言ったら「もう一回シャワー浴びる?」って。嫌だよ、めんどくせぃし。そしたらカイトが「ねっ、一緒に浴びる?」って。イヤだよ。お前それ目的バレバレだろ!オレが拒否ったら、カイト拗ねちゃって、向こう向いてイジケてるの。
なんかさ、さっきまでカイトのことお兄ちゃんのように思ってたのにさ、こういう態度、正直幻滅じゃね?オレからしたら、オトコに可愛さなんていらねえし。そしたらさ、カイトが「お前にもう一回シャワーを浴びる必要性を教えてやる」って、オレの汗ばんだ皮膚を擦ってきたの。そしたらさ、垢がポロポロ出てきてさ、「ほら、お前さっきもシャワー5分とかで済ませてるし、ちゃんと洗ってねーだろ」でね、強制連行ってオレを風呂場に連れて行ったの。
けどさ、ウチのユニットバスさ、トイレとバスの一体型で、めちゃ狭い。でもカイトが湯船にお湯を張りだしたの。で、お湯が溜まると一緒に入ることに。カイトがパンツ脱いだらさ、チンコが半分ボッキ状態でさ、ビヨーンってほぼ直角になってんの。でさ、めっちゃ狭いけど一緒に湯船に浸かった。もうギュウギュウ。でもカイトはギュウギュウのほうがいい、って。でオレを後ろから抱くようにして湯船に入ったよ。カイトは「あー幸せ」って連発してたわ。幸せはいいんだけどさ、オレのお尻にカイトの硬いモノがめっちゃ当たってるんですけど。
オレは「ちょっと、勃たせないでもらえますか?危ないんですけど、笑」と言うと「好きな人とこんなことしたら勃つに決まってるじゃん。恭平は勃ってないってことはオレのこと好きじゃないの?笑」ってアホな理屈を言ってくるんで「てかさ、カイトが女だったら勃ってると思うよ」と返すと「じゃあ無理やり勃たせてやる」って、お風呂の中でオレのチンコをシゴいてきたんよ。オレは触られるとすぐ勃ちますから。オレのチンコが勃起すると、カイトは「好きな人に扱かれるとすぐ勃っちゃうんだね?」と。
それでオレを立たせると、カラダを洗ってくれました。まあ初めてマジマジと見るお互いの全裸姿。2人とも勃ってる。カイトのデカチンもビンビンに勃起しててさ、オレのチンは大きさ普通だけど、カイトと並ぶと子供みたいだよ。カイトはオレのチンコを洗ってくれるんだけど、オレ平常時は包茎なんよね。でさ、カスがちょっとついてたみたいで、泡で綺麗にしてくれました。
でね、オレがふざけて「綺麗になったからフェラしたい?」って聞いたの。なんかオレは軽い乗りで言ったんだけど、カイトがいきなり真剣モードになってさ、「ねっ、ちょっとさっきからまだよく分からないんだけどさ、恭平はオレのこと好きって信じていいの?」オレが答えに困ってると、カイトがオレをじっと見つめてきた。
オレが、うーん、としか言わないことに気づいたカイトは「そうだよな、ごめん、またオレの勘違いやった」それで、何んか我に帰ったかのように、いきなり冷めてしまい、風呂から出て行ってしまった。
オレはまたこの間のことを思い出した。この前もこうやって気まずくなって別れたんだよね。今日もまた前回の繰り返しになっちゃう。オレはまた辛い思いをしたくないと思った。こうやってカイトを最後に失っちゃうんじゃうないかってことを恐れた。
それで、オレもすぐに風呂を出た。カイトはキッチンに置いてあったタオルでカラダを拭いていた。「ねー、カイト」カイトはオレを無視。「ねー、カイト!」それでも無視。「ねー、聞いて!」カイトはようやく手を止めてくれた。「ごめんなさい、オレ...」でもどうしても、いい言葉が出てこなくて、言葉に詰まってしまった。だって、明確な答えを持っていなかったから。
そしたらさ、カイトため息ついて、またカラダを拭き始めた。オレもイライラして「だから、オレも分かんないの!!」と怒鳴ってしまった。そしたらさカイトは「オレはお前に真剣に誠実に接したいのに、お前はオレの気持ちを遊んでるように思える。お前はただ乗りがいいってだけなんだよな。何がフェラする?だよっ!!」カイトももっと大きな声で怒鳴ってきた。カイトは相当怒ってるように見えた。
そしてパパッと服を着て、家を出て行ってしまった。さっきまで仲良く風呂に入ってたのに、ここ変わりようにオレは着いていけなかった。
家の外で車のエンジンがかかる音がし、その音は遠ざかっていった。
オレ、また失敗したの? 家に残されたパスタの皿、テーブルの上に溢れるお菓子を見て、オレはまた心が締め付けられた。
カイトとただの友達じゃダメなんだろうか。ただの友達なら、そのうちオレから離れていってしまうんだろうか。
オレは土曜の夜は悩みに悩んだ。オレは何て返事したらいいかが分からなかったんだ。自分勝手だと思われたくない。それでいて「恋人になります」とも簡単には言えない。でも「まずは友達」で、なんて言ったら、カイトはノンケのオレとは可能性がないと判断して、他の人と付き合っちゃうのかも。それもイヤだ。
土曜日は一睡もできなかった。深夜4時頃、オレはカイトにLineした。「今日は本当にごめんなさい。オレもう一回カイトとちゃんと話したい。明日会えますか?」送信すると、暫くして既読になった。
そしてすぐに「分かった」とだけ返信がきた。そして住所と位置情報が送られてきた。代々木だった。めっちゃいいとこ住んでるやん、コイツ。親が金持ちだと息子も金持ちやな。オレは始発で有楽町線に乗り、代々木に向かった。焦りと自己嫌悪と、もう戻れない現実を受け止めようとする、複雑な感情が入り混じっていた。