道場の後ろで2人で着替える。
半勃起状態の俺は『早く治まれ』と思いながら素早く下の道着を着た。
無駄話をしながら着替える隼に中学生が近づいてきて、「もうチ●毛ボーボーですか?」とかおちょくってきた。
隼「うっせぇなぁ、当たり前だろ!」
と、隼はパンツのまま中学生に蹴りをいれる。
『僕は知っている。パイパンだ』
治まる所か硬さを増して主張をしだす分身体に、たまらずトイレに駆け込んで、僅かしか出ない小便を出して少しでも治まる様に努めた。
帯を締めると若干気が引き締まり下半身は落ち着いた。
柔軟をしていると、隼と中学生が軽く打ち込みを始めた。
そこではお兄ちゃん的な存在でみんなを纏めたり、アドバイスをして慕われている。
僕も列に加わると、僕が突く度にオーバーリアクションをしてくる。
翔「普段から一緒に練習しとるだろ。」
隼「こいつらとはスピードが全然違うから、つい。」
翔「何言っとるんや。」
と言いながら前立ちを交代した。
隼の突きは小柄だが飛び込みが早く鋭い。
それを見た隼より少し背の高い中学生が羨望の眼差しで見つめているのと、それを少し自慢げに戯ける隼。
翔「えーけー、早よしろ、このドアホ!」
後ろから蹴りを喰らわした俺に直立して「はーい、先輩。」と更に戯けては列に並び直した。
道場では元国体の選手だった先輩や、大学生達と一緒に練習出来るため、自分たちだけでは知り得ない事を気付かされたり教わったりすることができる。
2時間の練習はとても短く感じるが、身体の疲労度は高校の練習の倍位に感じる。流す汗も時に凍てつく事があるため緊張感に溢れる。
でも、この感覚が癖になって毎週欠かさず通うのだろう。
ぼくも相当な空手バカだな、と毎回思う。
練習後に道場の外でパンツ一丁で風に当たる僕と隼を見て嘲笑う先輩達。
たまに練習がキツすぎた時には中学生も混ざる事があるが、大体はそそくさと帰ることが多い。
親たちもいつもの事だと気にも留めず子育てや料理の話などの世間話をしている。
隼「僕も今日、自転車にしていれば良かったなぁ。」
翔「何でや、親が車で迎えに来てくれてるから楽じゃないか。」
隼「だって翔さんとゲームの話とかバカしながら帰れるじゃないですか。」
翔「そんなん、毎日腐るほどしとるし。」
隼「まぁそうですけど。」
そんな話をしていると、隼のお父さんが
「まだ体力が余っとるんじゃろ。道着は持って帰ったるけー翔くんと一緒に帰ってこい。」
と隼の道着と僕の鞄を車に積んで帰って行った。
残されたパンツ一丁の2人。隼を見るとわかりやすく『マジでぇ』と顔が語っていた。