僕は毎週の土曜日,地元から一時間ぐらいの隣の県に一人で遊びに行く。
別に彼氏がいるわけでもない。
買い物があるわけでもない。
ただBLを立ち読みするだけ(笑)
本当にくだらないと思われるかもしれないだろうが,高校生の僕にとっては最高のエロ本。
隣の県なら同じ高校の人にも見られないし安全!
この土曜日も僕はいつものようにボーイズラブの漫画が置いているコーナーへ足を運んだ
人手が少なくて見やすいその場所に,スーツを着たリーマンが堂々とBLを立ち読みしていた
見慣れない光景に驚いた
しかもちょっとカッコイイ人だった
短髪で,スラッとしていて顔はピー○の綾○に似ていた。
僕はかまわず隣に立ち
「縛って愛して」
とかいう激エロ漫画を見た
チラっと隣を見ると普通に見てる・・・
股間を見た・・・
ちょっとズボンが膨らんでるように見える
しかもいい匂いがする人でますます興奮した
僕はそっちばかり気になって漫画に集中できない
5分くらいしたらその人は漫画を直して立ち去ろうとした
ヤバイ!行ってしまう!!
思わず声が出た
「あっ!!」
緊急で声のボリュームを間違えて,デカに声で言った
周りの人も振り返った
その人も振り向いた
ヤバ!!
「え?何か?」
「い・・・いや・・・何でもないです」
ちょっと笑みを含めた感じでそのまま彼は立ち去ってしまった
思わず顔が赤くなった
何をいきなり僕は言い出すのだろう・・・
顔が熱い!!
とりあえず僕はトイレに入った
すると何とトイレに彼がいた!!
またもや偶然!
僕だけかもしれないけどなんか変な空気が流れた・・・
キョどりまくって,とりあえず鏡の前で手を洗うふりをした
彼は用を足して手を洗いにきた
すごくドキドキした
「よく読むの?」
「・・・・え?」
ビックリして横を見た
彼が話しかけてきた
マジかよ!!
心臓バクバクだった
まさか話しかけられるとは思っていなかったから・・・
「君好きなの?BL」
「は・・・はい」
「高校生?」
「は・はい」
「何年?」
「二年生です」
「この後時間ある?」
「え!!!え!!」
そのときは何が起きたかわからないぐらい動揺していた
とりあえずトイレを出て二人で歩いた
「会社行かなくていいんですか?」
「俺大学生だから!就活中!」
「あっ!そうだったんですか。リーマンかと」
「面接終わって,暇だったから読もうかなって」
「へぇ・・・・」
なんか近くで見たら本当に整ってる顔だった
背は170センチぐらいで,僕よりも5センチくらい高い
「まだそういえば自己紹介してなかったよね?俺は,和久ね」
「僕はけんじです」
「なんか,けんじ君って高校生ってより中学生に間違えられない?俺最初,中学生がエロいの読んでるって思ったんだけど」
「マジっすか!?僕確かに高校生に見られたことあまりないです」
「なんか細いし,結構俺タイプかも」
「え!?いきなり何言いだすんですか!?」
「俺どう!?ってか,さっきすげぇ俺のこと見てなかった?」
「い・・いや・・はい。ちょっとタイプです」
「本当?笑 でも俺犯罪だ!」
「そんなことないですよ!!」
いきなりの展開に今でも信じられないけど,とりあえず連絡先を交換して駅で別れた。