家を飛び出して一矢を探しに行った。
俺と一矢の思い出の場所。
いるとは思わないけど心当たりはそこしか無い。
一矢の家付近、マック、駅、ラウンド1。
どこを探してもやっぱりいなかった。
もう心当たりなんて無い。
探し疲れた俺はもう適当に探し回るしかなかった。
悠哉「一矢どこだよ...一矢...一矢.....一矢..?」
スーパー、雑貨屋、家電量販店、TSUTAYA、ゲーセン、色んな店が集まった店の集合地帯。
TSUTAYAから出てくる一矢。
悠哉「一矢!?やっと見つけた...」
ドキドキしながら一矢の所まで走った。
俺は途中で足を止めた。
悠哉「はっ...?潤...?」
一矢の後ろから少し遅れて潤が出てきた。
考えるより先に体が動いた。
悠哉「一矢!!何で潤といんだよ!!すっげー心配した。店長もかなり心配してたし...潤と何してんだよ...」
一矢はびっくりして何も言葉が出ない様子だった。
潤「いや...一矢は何も悪くねーって!俺が暇だったから誘っただけ...わりい」
悠哉「俺付き合ってるって言ったよな?わざとそんな事してんの?てか何で一矢とそんな親しいんだよ。意味わかんねーし...」
一矢「それは...」
やっと一矢が喋った。
潤「いや一矢。俺が言う。」
悠哉「言い訳とか聞きたくねー。店長心配してるからすぐ連絡しろよ...」
そう言って俺はその場を立ち去ろうとした。
潤「俺さっ!!引っ越すから!!多分もうこっちに帰ってこれないし悠哉とも会う事ない。悠哉にはめっちゃ感謝してる。俺悠哉のおかげでだいぶ変われた。これからもずっと悠哉の事好きなのは変わらない。でも...悔しいけど一矢に勝てる気がしねー。だから最後に一矢に頼んで色々聞きながら悠哉が好きな物探して回ってた。おれこんな事しかできねーから...」
そう言って俺の手をとり握手するように何かを持たせてきた。
潤「まだ見るなよ!?じゃあ俺家帰るからっ!!」
潤は急いでその場を立ち去った。
俺は手を広げると指輪が入っていた。
指輪「指輪?おれ指輪なんてほしがって...」
一矢がすぐに口をはさむ。
一矢「その指輪...よく見て..」
声が震えて泣きそうだった。
指輪をよく見てみると側面に何か書いていた。
K&Y- Z.S.N
一矢「俺と悠哉のイニシャル。ぜって幸せになれよだって。子供みたいだよね...」
悠哉「あのばか...かっこつけんよ...一矢ごめん!行ってきていい?」
一矢「うんっ!ちゃんと話してきて。俺からもありがとうって伝えてもらっていい?潤希くんが指輪買った時言えなかったから...」
悠哉「うん。じゃあ行ってくる!!」
潤の家に向かった。