俺に向かって放たれた言葉。
ずるい‥‥あ、もしかして昨日出前でピザ取ったことかな
「黙っててごめん。まさか、知っているとは思わなくて。」
「ゴホンゴホンッ……それ‥で…?」
「それで、昨日はピザ食べた。」
「…えっ?………はっ?‥‥」
「えって言われてもこれ事実だし。確かに、いちいち人に言う事でもないから黙っていたといえば黙っていた。」
次の瞬間彼が腹を抱えて笑いだす
「ひゃはははは‥!ゴホッゴホッゴホッ…!!ああー確かにそれはズルいなっ! ははは‥!なーんでそん時俺に教えてくんなかったの? ぶははは!言ってくれりゃ俺こんなとこでメソメソしなかったのに」
「脚痛いって言ってなかった。」
「あちゃー‥!そうだったー!!昨日は痛くて痛くてしょうがなくてさ〜」
「今はなんともなさそう。」
「まーな 俺実は腹ん中に九尾がいっからさ丈夫なんだってばよ!」
「九尾見せて。」
「ああー‥今はお取り込み中みたいだからまた後でだってばよ!」
「成る程。御意。」
「えっ?えっ?何だって?‥ぎょえ?何?それ」
このあと彼は朝練サボったのを顧問の先生にこっぴどく叱られていた
罰として放課後は球磨きにグランドを3周走る事になったようだ。
(キーンコーンカーンコーン)
四時間目の授業が終わりこれから給食の時間だ
今日はフレンチトーストが出るのか。やっほーい。
そうそう。俺は今週から給食当番なんだ
白衣に着替えなくちゃ‥。それにしても、この白衣の帽子ってなんかかぶりたくない
おっ配膳台がきたきた。今日の俺の担当は…[きのこスープ]だって。
スープものって始めの方は掬いやすいんだけど、バケツが深くいから最後の方って掬うのが大変だ。最後の方掬おうとしたときの、お玉がバケツと擦り合う音で鳥肌立つんだよね‥。
ちょっと暑くなってきたな‥。スープの湯気が当たって少し汗が出てきたよ
「ねぇねぇ…きのこ入れないでくれる?…お願い…!お願いします!」
そう、声を掛けてきたのはバスケ部の菊地 という人だった
「きのこ本当に入れないけど。」
菊地「あ、うんうん。いんねーから。」
言われた通り[きのこスープ]なのにきのこ入れないでよそったら
「おお、サンキュー」
と言っていきなり腕を掴んで握手してきたんだ
ようやくみんなに給食が行き渡り、白衣も脱いで担任の「いただきます」コール
お昼の放送も始まった。
そうだ、紹介が遅れたけど今朝の野球部の友達は多賀井っていうんだ。
その多賀井とは給食を食べる時ちょうど隣同士になる。
多賀井「手‥繋いだ…あいつと仲良いの?」
「さっき初めて話掛けられたんだけど。どうしたの。」
多賀井「お前ってさぁ声のトーンが変わんねーから棒読みに聞こえる」
「でも、迷惑掛けてない。」
多賀井「ハァ?!迷惑掛けてんだろ!?」
急に多賀井が怒鳴った。
ざわざわとしたクラスメートの話声が途絶えてシーンとなった
多賀井は黙ったままこちらを睨み続けた。
なんだよ‥。もう、隠してることなんか何もないのに‥。今度はキレた。