個室に入りかけた俺は慣れないことにちょっと驚いて、「なんすかっ?」と言って振り返った。
声をかけてきた高校生は、身長はだいぶ低く165センチあるかないかくらい。淡いブルーのワイシャツのボタンをいくつか外して胸を開け、袖をひじまでめくっている。青ベースに白いドット柄のネクタイを緩く締め、ありがちなグレーのチェックズボンのすそから焦げ茶の小さなローファーが覗いていた。
ワイシャツはしっかりズボンの内に入れてたので、スリムな体型なのはわかりやすかった。全体的に小柄な高校生だった。
髪は黒のショートミディアムくらいで、薄いブラウンのハイライトを入れてるのが目に映った。ザクザクに切って立たせてあり、まぁそこら辺にいそうな見た目に気を遣った高校生だった。
「なんすかっ?」という俺の問い掛けに、その高校生は目線を下にずらして小さな声で
「よくポップンやってますよねっ」と言った。
たしかに俺はいつも同じゲーセンで遊んでたので、まぁ同じくこのゲーセンでポップンやる人なら何度も見たことあるだろーな、くらいに思っていた。
「やってますケド、なんでっすか??」
その答えに、その高校生は個室に入りかけたままの俺を押して個室に入れた。