俺がその男に惹かれたのは
ただただ雰囲気が良かったから..って理由だけではなく、
男のスリムスーツの股間部分が
いやらしい具合に膨らんでいたからだった。
男は電車の入口近くに立っていて
体はこちらに向けていたが
顔は流れていく窓の外を見ている
もう一度膨らみを見て、
その後顔を見る…
横顔から伺える
鼻の形が凄くいやらしい..
彼から滲み出る『雄』を感じて
身体の奥が厭にゾクゾクした。
昨日晩会った男はハズレだった..
あまり極端にタイプの無い俺は
嫌な事がある度、まるで当て付けかの様に
『ムリ』ではない男とセックスしてばかりだった…
気付けば、それが当たり前になっていて
そこから抜け出せなくなっていた..。
昨日の夜の行為だって
俺にとっては何も珍しい事では無い
でも、
いまいち気乗りしてない自分と
何をしてやるでも無く
一方的に奉仕し、満足そうにしてるオヤジの面を見ていたら
その温度差に余計虚しくなった…
正に昨日の今日で、
不完全燃焼の気持ちが助長させ
目の前の男、その膨らみから目が離せない..。
「うまそうだなぁ」
俺の頭の中は
そんな言葉でいっぱいになってた。