噂が流れてた。
あの先輩と付き合ってるって。
でも無理ないな、って思った。
ほんとに仲良いからタメ語だし、二人だけで普通に遊ぶし。
実際、そういうとこを同級生とかにも見られてた。
でもあの時は断った。
友達の関係でいたかったから。
健太郎のこともあったんだと思う。
そんな噂が流れたとき、メールが来た。
健太郎からだ。
健「先輩と付き合ったの?」
俺「唯先輩(その先輩)のこと?」
健「うん」
俺「別に付き合ってないよ」
健「ほんとに?」
俺「うん。てか何なの?」
健「俺のこと、嫌いか…」
少し間があってからの返信。
あれからはお互いに核心に触れなかった。
怖かったんだと思う。
そのメールにはなぜか寂しさがあった。
俺「嫌いなのは健の方でしょ?早く言ってくれればよかったのに(笑)」
俺は強がってた。
笑顔なんて作れないのに…
健「お前は嫌いか、俺のこと」
俺「ううん…ずっと、ずっと友達だと思ってたのに!」
もう終わりだ…
健「俺、お前のこと好きかも…」
俺「友達として、だよね?」
俺は嬉しかった。
友達としてでも、嫌われてなかったから。
その先なんて想像してなかった。
健「…恋愛対象として、って言ったら?」
俺「そっかぁ、それは冗談でも嬉しいな。罰ゲームお疲れ様ww」
俺は冗談だと思った。
野球部のノリなんてたかが知れてた。
健「マジ…だよ」
俺は嬉しさよりも衝撃の方が大きかった。
続く